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公開日: |更新日: 問題解決療法

ブレインストーミングで解決のアイディアを出そう

ブレインストーミングで解決のアイディアを出そう

目次
“ブレインストーミング”とは!?
“ブレインストーミング”をするときの3つのお約束
実例で理解する! “ブレインストーミング”
今回のまとめ

はじめに

問題解決を進めていくなかで、抱えている問題を整理し、目標を立てることができたら、目標を達成するための方法を考えることが次のステップになります。問題解決が上手くいっていない時には、「この方法しかない」「どうせ上手くいかないだろう」「こんなの無理」…と考えて、アイデアの幅をどんどん狭めてしまっている場合が多いものです。

そこで今回は、問題解決療法の第3ステップである、“解決案の案出”のコツについて詳しく解説していきます。

“ブレインストーミング”とは!?

“ブレインストーミング”とは、あるテーマについて、複数人でアイデアや意見を出し合い、新しいアイデアや考え方、戦略を生み出すことを目的とした会議の方法の1つです。この方法は、アレックス・F・アズボーンによって考案されました。

“ブレインストーミング”をしりときの3つのお約束

“ブレインストーミング”を行う際には、以下の3つのお約束を頭の片隅に置いて行うことが重要です。

  1. 数を重視する
  2. 判断は後回し
  3. バラエティ

数を重視についてですが、アイデアや解決策を考えるときに、“なるべく効果的なものを考えなければならない”と思いがちです。その結果、普段実践しているアイデアしか案出することができず、解決方法が今までとあまり変わらないことにつながってしまいます。もちろん“質”も大切ですが、ブレインストーミングを行うときは“質より量”を合言葉に思いつくアイデアをどんどん出しましょう。判断後回しについては、上述したように、最初からうまくいく方法を考えようとすると、アイデアや解決策の幅が狭まってしまいます。“できるかどうかはいったん置いておいて、とにかくアイデアを出す”ことを合言葉に考えていきましょう。バラエティーについては、すでに出てきたアイデアや解決策を組み合わせることで新たな1つのアイデアや解決策として案出しようということです。ほかのアイデアも参考にしながら、考えていきましょう。

実例で理解する! “ブレインストーミング”

例えば、「今月末まで、毎日30分リビングの片づけを行う」という目標を達成するための方法には、どのようなものが思い浮かびますか?

  • 好きな音楽を聴きながら行う
  • 歌を口ずさみながら行う
  • ガムを噛みながら行う
  • 「よし!今から片付けるぞー」と大声で叫んでから始める
  • 毎日決まった時間に行う
  • アラームをセットしておく
  • 散らかっているものは全て捨てる
  • まずは「いるもの」と「いらないもの」を仕分けする
  • お掃除ロボットを買う
  • 家政婦を雇う
  • 夫に片付けてもらう
  • 夫と一緒に行う
  • 「今日は机の上」「今日は書類」など、その日に行う場所をあらかじめ決めておく
  • カレンダーに、片づけができた日はシールを貼る
  • 片づけを行えたら、好きなお菓子を食べる
  • 片づけを行えなかったら、好きなお菓子を1週間食べられない
  • 片づけ方の本を探して読む
  • 片づけた場所は写真にとっておく

などなど。いかがでしょうか?おそらく、まだまだたくさんのアイデアがあると思いますが、このように3つの約束を守るだけでたくさんのアイデアが生まれます。

今回のまとめ

問題を解決していく上で、解決策のアイデアの幅が広いことは大切です。解決策の案出をすることは、問題解決療法の第3ステップでもあります。
解決案を案出する際には、“ブレインストーミング”を用いるとアイデアの幅が広がります。
“ブレインストーミング”をする際には、①数を重視する②判断は後回しにする③バラエティーを重視する といった3つのお約束を頭の片隅に置いて行うことが重要です。
次回は、たくさんの解決策の中からどうやって良い物を選んでいくかについてお伝えします。

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<問題解決法についての記事はこちら>

ずは問題を整理しよう

SMART(スマート)なゴールを設定しよう!!

どのアイディアを採用する?

アイディアを実践してみよう!そして、振り返ろう!

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関連する情報

監修

加藤 正
加藤 正医療法人和心会 あらたまこころのクリニック 院長
【出身校】名古屋市立大学医学部卒業
【保有資格】精神保健指定医/日本精神神経学会 専門医/日本精神神経学会 指導医/認知症サポート医
【所属】日本精神神経学会/日本うつ病学会/日本嗜癖行動学会理事/瑞穂区東部・西部いきいきセンター
【経歴】厚生労働省認知行動療法研修事業スーパーバイザー(指導者)の経験あり。2015年より瑞穂区東部・西部いきいきセンターに参加し、認知症初期支援集中チームで老人、高齢者のメンタル問題に対し活動を行っている。日本うつ病学会より「うつ病の薬の適正使用」のテーマで2019年度下田光造賞を受賞。
【当院について】名古屋市から、「日本精神神経学会から専門医のための研修施設」などに指定されている。