医療機関とハローワークの連携モデル事業について
目次
ハローワークの事業目的とは
事業の内容
ハローワークと当院の取り組み
当院事例
まとめ
はじめに
当院では、平成29年度より、ハローワークとの連携モデル事業への参加をしています。詳しく説明していきたいと思います。
ハローワークの事業の目的
厚生労働省の「精神科医療機関とハローワーク連携モデル事業の実施について」では、「精神障害者のさらなる雇用促進のため、ハローワークにおいて就職支援プログラム等を実施する医療機関と連携したモデル事業を実施し、当該医療機関との信頼関係を構築するとともに、地域の他の医療機関に対してもハローワークでの取り組み状況について普及・啓発を図り、医療機関との連携を推進する。」とあります。
当院もその事業内容に賛同し協力しようということで連携を始めました。
事業の内容
通院中の精神保健福祉手帳を有する方が、仕事に就きたいと思って企業への就労を希望された時に、ハローワークと連携して就労に至るまでと、就労が決まった後も、継続して支援するというものです。
ハローワークと当院の取り組み
<ハローワーク名古屋南での取り組み>
①職業相談・紹介、キャリアコンサルティング、就職ガイダンス(履歴書の書き方等)、職業訓練のあっせん等。
②職場実習等の機会の提供。
③医療機関とハローワークの担当者によるケース会議の開催。
④就職後の職場定着支援の実施等。
<当院での取り組み>
①定期的なデイケア通所をしながら、生活・睡眠リズムを改善。
②一定のノルマを順番にこなしながら、作業能力を回復していく。
③コミュニケーションのグループで対人交流スキルの向上を目指す。
④自分の考え方、ものの捉え方などについて振り返り、就労意欲の維持や再発予防をする。
当院事例
ハローワークで仕事を紹介してもらい、病状など配慮してもらいたい事を医療機関からハローワークに伝え、ハローワークから企業の担当者に伝えてもらうことで、病気を抱えながらでも仕事を続けられるようにフォローをしています。
去る8月某日にも、ハローワークの担当者の方に来院していただき、モデル事業利用の患者様とスタッフを含め、三者面談をしました。
現在就職して数か月経ち、慣れてきたからこそ感じる困りごと、辛さ・不安などの話をお聞きし、今後へ向けての相談をしました。
他にも、ジョブガイダンスで、就職準備のノウハウやハローワークの活用の仕方を教えてもらう機会も年に1回程度作っています。
ハローワークの専門窓口にて、個別に求人情報の提供や、就労準備のための職業訓練校・就労移行施設への紹介、企業説明会の紹介などのきめ細かい支援をしてもらっていますし、情報提供として職場実習受け入れ可能事業所のリストを送っていただいたりしています。
この2年半の間に、会社に就職された方が5名、就労移行支援施設・作業所などの利用につながった方が4名いらっしゃり、「ハローワークの方から、就職までの具体的なロードマップを示してもらうことで見通しを立てることができた」「就職活動をする中で、何か困ったときには相談できる場所があるという安心感があった」などの感想を頂いております。
まとめ
仕事に就きたくても、「自分の病気のことを会社に理解してもらって働くのは難しい」と感じている方は少なくないのではないでしょうか。
精神障害者保健福祉手帳を所持されているかたで、仕事のことを聞いてみたいという方は、まずは院長までご相談ください。
関連する情報
監修
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【出身校】名古屋市立大学医学部卒業
【保有資格】精神保健指定医/日本精神神経学会 専門医/日本精神神経学会 指導医/認知症サポート医
【所属】日本精神神経学会/日本うつ病学会/日本嗜癖行動学会理事/瑞穂区東部・西部いきいきセンター
【経歴】厚生労働省認知行動療法研修事業スーパーバイザー(指導者)の経験あり。2015年より瑞穂区東部・西部いきいきセンターに参加し、認知症初期支援集中チームで老人、高齢者のメンタル問題に対し活動を行っている。日本うつ病学会より「うつ病の薬の適正使用」のテーマで2019年度下田光造賞を受賞。
【当院について】名古屋市から、「日本精神神経学会から専門医のための研修施設」などに指定されている。
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