「ゆったりエクササイズプログラム」と「自主活動プログラム」のご案内
目次
ゆったりエクササイズプログラム
自主活動プログラム
まとめ
ゆったりエクササイズプログラム
プログラムの目的
心の病になると、身体症状が出る人もいます。例えば、うつの症状で頭痛やおっくう感、だるさなどがあり、体を動かすことが出来なくなります。体を動かさないでいると、ますます動きたくなくなり、肩こりや腰痛が出たり食欲がなくなり、悪循環を生むことにもなります。
身体を動かすことで、運動をしている時間は辛いことを忘れることができたり、気持ちを切り替えるきっかけになったりします。
逆に、悩みにばかりに目が向いてしまい、自分の身体のことに目が向かなくなることもあります。そんな時も身体を動かすことで自分の身体に目が向き、「今、ここ」に気づく、マインドフルネスを体験することができます。そうすることで、治療の効果をより高めることができます。当院では午前中にマインドフルネスをグループ治療で行っていますが、グループで学んだことを、実践するいい機会にもなります。
(10:00~12:00までマインドフルネスグループ療法を行っていますが、参加に関しては院長と相談してください。)
他に、一人では運動したくても続かない、どうやっていいかわからないという方にも、他メンバーやスタッフと一緒に行うことで、自然と体を動かすことができます。
また、運動をすることで心地よく疲労がたまり、睡眠リズムが改善することがあります。
内容
毎週金曜日の午後(13:30~14:40)、デイケアのフロアで行っています。
汗をかいて風邪をひいたり、窮屈な服装でストレスを溜めたりしないように、運動時には動きやすい服装に着替えをしてもらっています。
時間になったらスタッフと一緒に、DVDの映像を観ながら集中して行います。
前半は気功で、ゆっくりと呼吸を意識しながら運動していきます。非常にゆったりとした動きですが、筋肉が伸びている感覚や呼吸に意識を向ける感覚を味わえますし、意外と体が疲れます。
後半は美ヨガストレッチで、軽快な音楽に合わせて、ヨガの要素を取り入れたストレッチを行います。前半に比べると動きが速いですが、リズムに合わせて行うので、楽しく運動でき、運動した後の満足感も味わえます。
一緒に運動している一体感を感じるので、休憩中には自然に会話が盛り上がり、運動の楽しさを共有することもあります。
自主活動プログラム
プログラムの目的
うつなどの病気になり生活リズムを崩してしまっている人が、日常生活リズムを取り戻す。昼夜逆転していて、自宅にいるとどうしても寝てしまうので、自宅以外の場所で過ごすことで日中の活動量を増やし、睡眠障害を改善する。
日常生活の中で、時間の過ごし方が分からないまま一日が過ぎてしまっているようなときに、デイケアの自由な時間をどのように過ごすか考え行動することで、普段の生活でもどのように時間を過ごすのかを考えられるようになる。
それぞれ、主体的にどのように過ごすかを決めて活動できるようになる。
逆に、発達障害の方や依存症の方が作業に没頭しすぎてしまう場合には、スケジュールで決められた時間枠があることで、作業を区切ることの練習をする。
内容
10:00~12:00、13:00~14:30
読書、勉強、手芸、一人でゲーム、複数人でゲーム、絵を描く、塗り絵をする、パソコンで調べものをする、他メンバーと交流する、スタッフに相談をする、グループの課題や振り返りに取り組む、ゆっくり体を休める、就職活動中の書類を作成するなど多様な過ごし方をしています。
それぞれの課題に合わせて、スケジュールをたて行動することは、社会へ出るための準備にもなります。
例えば、グループ治療と併用されている場合だと、デイケアの自主活動中にグループで学んだことを実践することもできます。コミュニケーション(アサーション)の練習や、対人緊張があるなかでも集団の場所に身を置く練習などです。
コミュニケーションの練習を、「始めからメンバー相手にするのはハードルが高い」、という場合にはまずはスタッフを相手に練習してもよいでしょう。
日常生活で、料理の作り方をいろんな人から聞いて参考にしたり、冠婚葬祭のマナーで分からないことを聞いてみたりするのもいいかもしれません。
もちろん、デイケアも治療の場であり、安全でなければいけないので、しっかりとしたルールがあります。例えば、
- 個人情報に関することは一切フロア以外の場所には持ち出さない
- デイケアを出たら仲の良いメンバーでも外での交流はしない
- 連絡先の交換はしない
- 物の貸し借りはしない
- グループでの内容は話さない
などです。そういったルールを守ったうえで参加をしてもらっています。
まとめ
ゆったりエクササイズプログラムでは、ゆっくりと身体感覚や呼吸を感じながら体を動かすことができ、体の症状へのとらわれや、考え込んでいることに気づくきっかけになります。
また、うつ症状の辛い時期に体を動かせなかった方が、体の健康を取り戻す手助けになり、睡眠リズムの改善にも効果が期待できます。
複数人で行うことでの一体感が生まれ、会話が苦手な方も自然に会話をするきっかけになるかもしれません。自主活動プログラムでは、それぞれの課題に合わせて、スケジュールをたて行動することで、普段の生活でもどのように時間を過ごすのかを、主体的に決めて活動できることを目指します。
関連する情報
監修
-
【出身校】名古屋市立大学医学部卒業
【保有資格】精神保健指定医/日本精神神経学会 専門医/日本精神神経学会 指導医/認知症サポート医
【所属】日本精神神経学会/日本うつ病学会/日本嗜癖行動学会理事/瑞穂区東部・西部いきいきセンター
【経歴】厚生労働省認知行動療法研修事業スーパーバイザー(指導者)の経験あり。2015年より瑞穂区東部・西部いきいきセンターに参加し、認知症初期支援集中チームで老人、高齢者のメンタル問題に対し活動を行っている。日本うつ病学会より「うつ病の薬の適正使用」のテーマで2019年度下田光造賞を受賞。
【当院について】名古屋市から、「日本精神神経学会から専門医のための研修施設」などに指定されている。
最新の投稿
- 社交不安障害専門療法2023年10月27日あがり症・社交不安障害の治療の仕上げ 行動実験
- 心の整理面接2021年6月21日困りごとを整理して、こころの地図を作ろう
- 2021年4月8日生まれつきの気質と変わる性格 クロニンジャー理論 第2回目
- 認知行動療法2021年4月2日性格は生まれつきなの? クロニンジャー理論 第1回目