デイケアってなに?
目次
デイケアについて
当院のデイケアの特徴
まとめ
はじめに
自分が困っていることを克服・改善したいと思っても、以下のようなことで治療が進まなくなり、悩んでしまった経験はありませんか?
- 社会参加に向けて人と関わる練習をしたいけど、機会がない
- 生活習慣を整えたいけれども、つい家でゴロゴロしてしまう
- 復職をしたいけれども、毎日通える自信がない
- 家にいると、ついいろいろなことを考え込んでしまう
デイケアでは、上記のような悩みを持った方が、社会生活への復帰や居場所作りを求めて参加する治療の場になります。
集団での治療となりますが、参加されるメンバーそれぞれに悩みや問題、それに対しての治療の目標や目的があり、それぞれの目標にあったプログラムや活動をしていくことで、回復を目指しています。
そんな当院のデイケアについてご紹介していきたいと思います。
デイケアについて
当院のデイケアでは、参加している患者様のことを“メンバー”と呼びます。
メンバーには、当院3階の広いスペースにて過ごしていただくことがベースとなります。プログラムに参加する、TVを見る、人と談話をする、読書をするなど、さまざまな方法で過ごしているメンバーがいます。まさに、自宅以外の“生活空間”という印象を持たれるかもしれません。
常に対人援助専門のスタッフが数名おり、困ったことがあれば相談することもできます。
デイケアを利用とする場合、重要なポイントが2つあります。
①自分で時間の使い方を考え、過ごすこと
決まった時間に来院し、決まった時間に帰ることは、会社を想定した訓練に繋がります。また午前、午後のプログラムの時間をいかに有効活用するかが重要です。ゆっくり過ごす時間、プログラムの復習をする時間、人と交流する練習をする時間、体力をつける時間。あなたにあったスケジュールを組み、治療を進めましょう。
②家族・友達以外の“人”と交流すること
人間関係で悩み休職した人、これから仕事に挑戦したい人、社会生活に参加したいけれども今一歩勇気が出ない人など、みなさんの治療の先には“家族以外の人”と接することが必須になります。そのためには、専門的な治療を受けつつ、“家族以外の人”と接する練習をしていくことが重要です。「メンバーではハードルが高い」と思う人は、専門スタッフを相手に練習することもあります。効果的にデイケアの場を利用しましょう。
当院デイケアの特徴
当院では、メンバーの治療を進めるためにいくつかの特徴があります。
・人と関われる空間、プログラム
社会と関わることを克服・始めようとしているときに、不安になることがたくさんあると思います。治療を途中で辞めてしまいたくなることもあるかもしれません。
その時、一緒に治療を頑張り励まし合える仲間やサポートするスタッフはとても重要です。人とのかかわりあいを克服したい人の練習となる空間、プログラムを作れるようスタッフ一同取り組んでおります。
・女性の対人援助専門スタッフ
婦人科系のことで悩みがある。男性にはわかってもらえない悩みがある。メンバーの中には男性スタッフには相談しにくい悩みがある方もいるかもしれません。当院のデイケアでは女性の対人援助専門スタッフが多数在籍しております。いつでもご相談ください。
・オーダーメイドを重視した、多彩かつ専門的なプログラム
ヨガ、気功、エアロビクスといった運動プログラムに参加し、体力向上や体型維持を目指す。ものつくりや脳トレを行うなかで、人とのかかわり合いの練習をする。など、自分のペースで自分にあった治療を考えることができます。
さらに
- 気持ちの落ち込みから抜け出す訓練
- 怒りや不安といった感情との付き合い方
- 自分の気持ちを相手に伝えるコツ
- 就労・復職の準備性を高めるための訓練
といった、当院の専門的なグループ治療とデイケアを利用しつつ併用することも可能です。
・就労や復職サポートのための、行政連携
ハローワーク(職業安定所)が行っている、【就労事業モデル】を当院は行っております。就労や復職のための流れをハローワークの人に教えてもらったり、就労後のサポートをしていただくなど、就労後も安定した就労継続ができるようサポートしております。
まとめ
当院のデイケアは、「社会参加、復職、居場所づくり」などが目的となる治療の場です。メンバーそれぞれが、それぞれの目的に向けて、過ごし方のプログラムを自分で組んでいきます。ほかのメンバーやスタッフ(女性多数在籍)とかかわりながら、運動プログラム・作業プログラムなどに取り組んでいきます。当院で行っている、集団精神療法プログラム(気持ちの落ち込みから抜け出す訓練・怒りや不安といった感情との付き合い方・自分の気持ちを相手に伝えるコツなど)にも参加することが出来ます。
ハローワークの方々と連携し、就労後も安定した就労継続ができるようサポートしております。
次回からは、デイケアで行っている様々なプログラムについてお伝えしていきます。
関連する情報
監修
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【出身校】名古屋市立大学医学部卒業
【保有資格】精神保健指定医/日本精神神経学会 専門医/日本精神神経学会 指導医/認知症サポート医
【所属】日本精神神経学会/日本うつ病学会/日本嗜癖行動学会理事/瑞穂区東部・西部いきいきセンター
【経歴】厚生労働省認知行動療法研修事業スーパーバイザー(指導者)の経験あり。2015年より瑞穂区東部・西部いきいきセンターに参加し、認知症初期支援集中チームで老人、高齢者のメンタル問題に対し活動を行っている。日本うつ病学会より「うつ病の薬の適正使用」のテーマで2019年度下田光造賞を受賞。
【当院について】名古屋市から、「日本精神神経学会から専門医のための研修施設」などに指定されている。
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