マインドフルネス呼吸法のご紹介
【目次】
マインドフルネスとは
マインドフルネス呼吸法とは
なぜ呼吸に意識を向けるのか
呼吸法をするときのコツ
呼吸法中の眠気について
まとめ
はじめに
マインドフルネスのエクササイズで、最も一般的なのが、呼吸法です。
今回は、呼吸法のご紹介を通じて、マインドフルネスがどんなものなのか、感じをつかんでいただけたらと思います。
マインドフルネスとは
マインドフルネスは、「今、ここ」の現実に集中し、今自分が感じていることに客観的に気づいている事と定義されます。
「今、ここ」の現実に集中し、自分の感覚に気づいている事で、自分を苦しめる「考え」「感情」「記憶」などにとらわれにくい状態を作っていきます。
マインドフルネス呼吸法とは
呼吸に意識を向け続けることで、「今、この瞬間」に注意をとどめ続ける訓練です。
「今、ここ」の「身体感覚」である、呼吸に注意を向けていき、頭であれこれ考えた状態から、体を感じる状態へと切り替えていきます。
呼吸中は自然と考え・イメージ・記憶・感情などが浮かんできますが、それに気づいて、ありのままに受け止め、また、注意を呼吸に戻していきます。
なぜ呼吸に意識を向けるのか
私たちはほとんど無意識に呼吸をしており、自分の体が普段どんな風に呼吸しているかを感じることはあまりありません。
過去や未来へ向かいがちな心を、「今、この瞬間」に戻すための手がかりとして、無意識にしている呼吸にあえて意識を向け、観察します。
呼吸法をするときのコツ
心得
自分が「気持ちいいと感じる呼吸」をします。
なので、浅くても深くてもかまいません。
無理に深く吸おうとせず、からだに任せて自然に呼吸していきます。
自然な呼吸が難しいと感じるときは
その時はまず、「どこまで吐けるかな?」という気持ちで“吐く息の終わり”を意識します。
息を吐ききると、自然に体が息を吸ってくれますので、ゆっくり細くはいていくようなイメージで、ゆったりとして呼吸を味わっていきましょう。
呼吸法中の眠気について
眠気が出てきた時にまずする事
まずは、眠気をマインドフルに受け止めましょう。
眠気が出てきても、
いい悪いの判断(ジャッジ)をせず
眠気を観察して、呼吸に戻る
それでも眠気が出てきたら仕方がない??
ただ眠気を観察して、呼吸に戻ろうとしても、それでも眠気が止まらない時は以下の理由が考えられます。
① 体が「目を閉じること=眠りに入ること」になっている
私達は、眠りにつく時には目を閉じますので、特にマインドフルネストレーニングをする習慣がない場合、目を閉じると自然と眠くなります。
② 精神的、肉体的な疲労
精神的、肉体的な疲労が強かったり、睡眠不足の場合、脳は休息が必要だと判断します。この場合、まずは適切な睡眠の確保が必要です。
マインドフルネスの練習中に寝るのが習慣になってしまっては問題ですが、以上の理由から、多少は仕方がないところもあります。寝てしまっても、ご自身を責めたりする必要はありません。
なにより、「マインドフルネスをするぞ」と意気込んで、緊張優位の状態で呼吸をするよりは、眠くなるくらい気構えがない状態の方が、マインドフルネスに近いのではないかと思います(参照:マインドフルネスのコツはコントロールを手放すこと)。
眠気対策としてできること
①就寝前や食後を避ける
呼吸法をする時間帯については、朝起きてからすぐの時間帯や夕方から夜にかけての時間帯がおすすめです。
②毎日継続して行い脳を慣らしていく
マインドフルネスのトレーニングを始めたばかりの脳は、眼を閉じただけで眠気を覚えます。そのため、毎日トレーニングを行い、「眼を閉じる=眠くなる」という脳を変え、「目は閉じているけど、意識ははっきりしている」という状態を繰り返していきましょう。
③時間を少しずつ増やしていく
呼吸法の時間を少しずつ増やしていくことも効果があります。最初は起きていられる2~3分だけにして、次第に5分、10分というように時間を長くしていきます。
まとめ
マインドフルネスとは:「今、ここ」の現実に集中し、自分の感覚に気づいている事で、自分を苦しめる「考え」「感情」「記憶」などにとらわれにくい状態です。
マインドフルネス呼吸法:呼吸に意識を向け続けることで、「今、この瞬間」に注意をとどめ続ける方法です。
呼吸法のコツ:浅くても深くてもOK。無理に深く吸おうとせず、からだに任せて自然に呼吸していきます。
眠気対策:眠気が出るのは多少は仕方がないところもあります。まずは、眠気をただありのままに眺めて、呼吸に戻っていきましょう。そのほか、対策としては、①就寝前や食後を避ける②毎日継続して行い脳を慣らしていく③時間を少しずつ増やしていく、などが挙げられます。
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<マインドフルネスについての記事はこちら>
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関連する情報
監修
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【出身校】名古屋市立大学医学部卒業
【保有資格】精神保健指定医/日本精神神経学会 専門医/日本精神神経学会 指導医/認知症サポート医
【所属】日本精神神経学会/日本うつ病学会/日本嗜癖行動学会理事/瑞穂区東部・西部いきいきセンター
【経歴】厚生労働省認知行動療法研修事業スーパーバイザー(指導者)の経験あり。2015年より瑞穂区東部・西部いきいきセンターに参加し、認知症初期支援集中チームで老人、高齢者のメンタル問題に対し活動を行っている。日本うつ病学会より「うつ病の薬の適正使用」のテーマで2019年度下田光造賞を受賞。
【当院について】名古屋市から、「日本精神神経学会から専門医のための研修施設」などに指定されている。
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