うつ病や不安障害の“お母さん”へ
一般的に、女性にとって、家族のコミュニケーションは、非常に重要と言われています。そして、女性のうつ病や不安障害で、薬物療法だけでなかなか治らない場合、背後に家族の問題がある場合があります。
なかなか改善しないうつ病や不安障害の方で、女性の場合、家族の人間関係が大きく影響していることが多いと言われています。よくよくお話を詳しくお聞きすると、ご家族の問題の中でも、とりわけお子さんの「ひきこもり」や「不登校」でお悩みのようです。
大切なお子さんが「ひきこもり」や「不登校」ときは、それを取り巻く家族(特にお母さん)にとっても、大変、不安でつらい状況です。ところが、ご家族が不安でつらい状況では、さらに問題が悪化し、悪循環となってしまいます。
うつや不安が強くなると、自分のやってきたことに自信が持てなくなったり、自分を責めてしまったり、将来のことをあれこれ考えてしまうことが多くなります。ですから、お母さんは、自分の子育てが悪かったんじゃないかと不安になり、自分を責め、ますます対応に自信が持てなくなってしまいます。
それに加え、ご家族の問題は、人に相談しづらいこともあり、一人で抱え込んでしまったり、混乱してしまい、知らず知らずのうちに問題に巻き込まれてしまうことが多くなります。
このような悪循環の状態から一歩抜け出し、問題解決に取り組むためには、まず、状況を整理し、問題の理解を深め、自分自身が健康を取り戻し、変わっていくことが大切です。
当院では、平成30年3月28日(水)より、「ひきこもり・不登校の家族をもつ親(=自分)のための初期集中プログラム」を行います。このプログラムでは、問題のメカニズム、ポジティブなコミュニケーション、「ひきこもり」や「不登校」に巻き込まれずに、自分自身の生活を豊かにすることなどについて、一緒に学び、考えます。
できるところから一歩ずつ、一緒に始めていきませんか。参加をご希望の方は、一度、医師やスタッフにご相談ください。
(心理士・関口)
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監修
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【出身校】名古屋市立大学医学部卒業
【保有資格】精神保健指定医/日本精神神経学会 専門医/日本精神神経学会 指導医/認知症サポート医
【所属】日本精神神経学会/日本うつ病学会/日本嗜癖行動学会理事/瑞穂区東部・西部いきいきセンター
【経歴】厚生労働省認知行動療法研修事業スーパーバイザー(指導者)の経験あり。2015年より瑞穂区東部・西部いきいきセンターに参加し、認知症初期支援集中チームで老人、高齢者のメンタル問題に対し活動を行っている。日本うつ病学会より「うつ病の薬の適正使用」のテーマで2019年度下田光造賞を受賞。
【当院について】名古屋市から、「日本精神神経学会から専門医のための研修施設」などに指定されている。
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