苦手な身体感覚を克服する パニック障害の治療
あらたまこころのクリニックのパニック障害の方に向けたグループ治療では、苦手な状況や身体感覚を段階的に克服する治療を行っています。
H30年1月27日(土)に行ったグループでは、この苦手な身体感覚を克服する治療を中心に行いました。
パニック障害の中核的な症状のひとつとして、パニック発作に似た身体症状に過敏になる身体感覚過敏があります。
身体感覚過敏になる流れについて、例を上げると…
あるとき突然理由もなくパニック発作に襲われたとします。
パニック発作では動悸(ドキドキ)、発汗、息苦しい感、窒息感、胸の痛みや不快感、吐き気、めまい、死ぬのでは?という恐怖などを経験します。
その経験の後、日々の生活の中でパニック発作に関連する様々なことに不安になります。
感覚 | 状況 |
・発作の時と同じような身体感覚 (ドキドキ、吐き気、熱感など)↓↓↓身体感覚に対する不安から 苦手な身体感覚を避けるようになる ・ドキドキしないようにゆっくり歩く ↓↓↓ 活動内容が制限 |
・前回発作が生じたときと、 似たような場所に行く↓↓↓ 場所や空間に対する不安から ・旅行を避ける
↓↓↓ 活動範囲が制限
|
苦手な状況や身体感覚を避けることでその場は安心しますが、克服する方法は身につきません。避ける事でさらに不安が強くなることもあります。
当院のグループでは左の身体感覚に対する不安を克服する治療として、身体感覚曝露を行っています。
■ 身体感覚曝露とは?
身体感覚曝露では意図的に身体感覚を作り出し、不安が自然に落ち着くことを体験して身体感覚が生じても自分は大丈夫であるということを体験的に学びます。そして、最終的に活動内容を制限せずに生活できようになることを目標としています。
あらたまこころのクリニックのパニック障害グループ治療では、定期的に身体感覚曝露を練習する日を設けております。
パニック障害・嘔吐恐怖等でお困りの方は、ぜひ医師にご相談ください。
(心理士 宮本・本田)
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監修
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【出身校】名古屋市立大学医学部卒業
【保有資格】精神保健指定医/日本精神神経学会 専門医/日本精神神経学会 指導医/認知症サポート医
【所属】日本精神神経学会/日本うつ病学会/日本嗜癖行動学会理事/瑞穂区東部・西部いきいきセンター
【経歴】厚生労働省認知行動療法研修事業スーパーバイザー(指導者)の経験あり。2015年より瑞穂区東部・西部いきいきセンターに参加し、認知症初期支援集中チームで老人、高齢者のメンタル問題に対し活動を行っている。日本うつ病学会より「うつ病の薬の適正使用」のテーマで2019年度下田光造賞を受賞。
【当院について】名古屋市から、「日本精神神経学会から専門医のための研修施設」などに指定されている。
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