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公開日: |更新日: 認知行動療法

対人関係療法勉強会に参加してきました

先月の6月19日、大阪で行われた対人関係療法勉強会に参加してきました。

対人関係療法は、発症のきっかけとなった対人関係上のストレスが何かや、その後の症状と対人関係の悪循環がどういう状況によって起されたかを明らかにして、症状の改善を目指す治療法です。

対人関係療法で目指していくのは、「症状と対人関係問題の関連」を理解し、対人関係問題に対処する方法を見つけることによって、症状に対処できるようになっていくことです。

実際、今まで問題にならなかったコミュニケーションが、病気の発症によってこじれたり、上手く伝わらないことが、「わかってもらえていない」といった孤立感や、「迷惑をかけて申し訳ない」といった自責感につながっていくことは多く見られます。

また、身近な対人関係で起きやすい

「伝わっているはず」
「こういう風に思っているはず」
「言わなくてもわかるはず」

というコミュニケーションがさらに関係をこじらせていきます。

そのような状況のとき、現在の対人関係に焦点を当て、コミュニケーションを細かく振り返りながらお互いの理解のズレに気づいたり、調整をしていきます。対人関係問題が解決されていくことによって、ストレスが減少し、症状の改善にもつながっていきます。

対人関係に強いストレスを抱えている方にとって、ストレスに対処していくための多くのエッセンスが詰まっている内容でした。

関連する情報

監修

加藤 正
加藤 正医療法人和心会 あらたまこころのクリニック 院長
【出身校】名古屋市立大学医学部卒業
【保有資格】精神保健指定医/日本精神神経学会 専門医/日本精神神経学会 指導医/認知症サポート医
【所属】日本精神神経学会/日本うつ病学会/日本嗜癖行動学会理事/瑞穂区東部・西部いきいきセンター
【経歴】厚生労働省認知行動療法研修事業スーパーバイザー(指導者)の経験あり。2015年より瑞穂区東部・西部いきいきセンターに参加し、認知症初期支援集中チームで老人、高齢者のメンタル問題に対し活動を行っている。日本うつ病学会より「うつ病の薬の適正使用」のテーマで2019年度下田光造賞を受賞。
【当院について】名古屋市から、「日本精神神経学会から専門医のための研修施設」などに指定されている。