うつ病就労支援研修で発表させていただきました
うつ病就労支援研修で当院の取り組みについて発表させていただきました
1月30日、名古屋市精神保健福祉センターここらぼにて、「平成25年度うつ病就労支援研修『多分野からみたうつ病リワーク支援の成果とその課題』」が開催され、当院 ソーシャルワーカーが医療分野からの立場として、当院での取り組みについて発表する機会をいただきました。この研修は、名古屋市域の精神障害のある方を支援対象としている事業所等の職員を対象に、うつ病の就労支援等に関する知識を深め、支援の促進を図ることを目的に行われています。
発表では、当院での休職中の方へ提供できるプログラムについてやその工夫、また他機関の方との連携についてなど、今後の課題についてもお話しさせていただくことができました。当院の復職支援プログラムでは、参加される方それぞれの苦手なところをしっかり見つけてサポートしていくことを意識しています。置かれている職場環境や休職期限、勤務条件などにも合わせてプログラムをカスタマイズすることで、復職支援プログラムの内容をその方に合った濃いものにすること、そして休職期限をできるだけ短期間にすることができるのではないかと考えています。
座長の名古屋大学教授、尾崎紀夫先生からも、「置かれた状況はそれぞれ違うので、個々に合わせたプログラムが大切である」とご賛同いただくことができました。
また、福祉分野、産業分野の立場での発表者の方のお話を聞き、それぞれの立場の特性、考え方の違いを発見するとともに、復職・就労支援の目標は、「再発せずに長く仕事を続けられる 力をつけること」と、立場が違っても同じであることを再認識することができました。
後半のパネルディスカッションでは、尾崎先生の進行のもと、意見を交換させていただきました。休職、休養と一口に言ってもメリットだけではなくデメリットがあり、軽度・中等度のうつ病の場合は一次予防、二次予防が重要であること、復職を目指すときにまず行動し、人と関わりを持つことからでないとなかなか考え方は変わらないこと、集団の中でプログラムを行っていくことが仕事を意識する上でもとても重要となるということなど、復職支援プログラムを行っていく上で大切なことを、今一度見つめ直すことが出来たように思います。
ここでの学びをもとに、さらに患者様の復職に向けて役立つプログラムが行っていけるように努力していきたいと思います。
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監修
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【出身校】名古屋市立大学医学部卒業
【保有資格】精神保健指定医/日本精神神経学会 専門医/日本精神神経学会 指導医/認知症サポート医
【所属】日本精神神経学会/日本うつ病学会/日本嗜癖行動学会理事/瑞穂区東部・西部いきいきセンター
【経歴】厚生労働省認知行動療法研修事業スーパーバイザー(指導者)の経験あり。2015年より瑞穂区東部・西部いきいきセンターに参加し、認知症初期支援集中チームで老人、高齢者のメンタル問題に対し活動を行っている。日本うつ病学会より「うつ病の薬の適正使用」のテーマで2019年度下田光造賞を受賞。
【当院について】名古屋市から、「日本精神神経学会から専門医のための研修施設」などに指定されている。
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