東海メンタルヘルス研究会に参加してきました
6月1日(土)に行われた、東海メンタルヘルス研究会に参加してきました。
一般演題
座長:林内科クリニック 林 吉夫 先生
演者:三菱電機株式会社 名古屋製作所 健康増進センター
専属産業医 水口 要平 先生
『職場復帰における産業医の役割
~メンタル不調車の業務背景を考える~』
特別講演
座長:中部労災病院 心療内科部長・勤労者メンタルヘルスセンター長
藤田保健衛生大学医学部 客員教授 芦原 睦 先生
演者:医療法人社団 佑希会のぞみクリニック顧問(心療内科)
学校法人 神奈川大学保健管理センター長(特別教授)
江花 昭一 先生
『職場の適応障害への支援を考える
~「新型うつ」への対応も含めて~』
メンタルヘルス不調による休職者は増加傾向にあります。そういった状況に対し、医療機関による睡眠障害やうつ状態といった疾病性への早期介入は大切です。一方で、「職場」で「仕事ができない」といった「業務遂行能力の低下」という事例性へのアプローチも重要です。タイトなスケジュール、過大な職責、人的サポート不足などといった業務背景や、本人の能力を超える業務負荷がメンタル不調に繋がる大きな要因となっているのです。医療からの介入だけではなく、労務管理面の徹底、職場環境の調整の重要性を再認識出来ました。
また、近年「新型うつ」といった言葉をマスコミなどからよく耳にするようになりました。新型うつは、従来型のうつとは全く異なるようなイメージがあります。しかし、江花先生は、従来型のうつ病は、「社会の規範やルール」に過剰適応しているが、新型うつでは、「自己実現・オンリーワン」ということに過剰適応している状態で、どちらも過剰適応の病理として考えることができると話されていました。年代、状況によって適応するものが違っても、本人が困っているという点では同じであると考えることができるのです。
適応障害への職場での支援については、職場のストレスを正確につかみ、調整を図ること、安易にうつ病と断定せず、病態を慎重に検討すること、家族や関係者からも情報を得ることなど、情報収集も重要であるとのお話でした。
当院でも、復職支援を行っていますが、今回の講演を聴かせていただき、医療機関としても、職場と密に連携をとって環境調整の確認等行っていくことが重要だと感じました。
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監修
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【出身校】名古屋市立大学医学部卒業
【保有資格】精神保健指定医/日本精神神経学会 専門医/日本精神神経学会 指導医/認知症サポート医
【所属】日本精神神経学会/日本うつ病学会/日本嗜癖行動学会理事/瑞穂区東部・西部いきいきセンター
【経歴】厚生労働省認知行動療法研修事業スーパーバイザー(指導者)の経験あり。2015年より瑞穂区東部・西部いきいきセンターに参加し、認知症初期支援集中チームで老人、高齢者のメンタル問題に対し活動を行っている。日本うつ病学会より「うつ病の薬の適正使用」のテーマで2019年度下田光造賞を受賞。
【当院について】名古屋市から、「日本精神神経学会から専門医のための研修施設」などに指定されている。
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