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公開日: |更新日: 認知行動療法

院内研修会を行いました

新しいスタッフを迎え、先日、当院では院内研修会を行いました。

まずは、院長より「プロクルステスの寝台」というギリシア神話から、興味深いお話がありました。

ギリシア神話に出てくる強盗、プロクルステス。 彼の家には鉄の寝台があり、通りがかった人々に「休ませてやろう」と声をかけ、隠れ家に連れて行きます。そして、旅人を寝台に寝かせると、大きい人ははみ出た分を切断し、小さい人はサイズが合うまで体を引き伸ばす拷問にかけたのです。結局、寝台にぴったりのサイズの人間はいませんでした。プロクルステスが、相手の背丈を目測して、寝台を伸ばしたり縮めたりしていたからです。

治療者も気をつけないと、プロクルステスと同じ事をしてしまう危険性があります。治療者が、患者の声を十分に聞かず、一方的に自分の治療の型を患者に押しつけてしまったらどうなるのでしょうか?患者は、回復どころか、逆に傷ついたり、かえって状態が悪くなってしまいます。

院長は、治療者がプロクルステスにならにように、「治療と患者の治りたい方向を突き合わせながら、患者と協働作業で目標を共有することが大切である」とお話されました。

研修では、治療者がプロクルステスにならないように気をつけることとして、まず、支持的精神療法について学びました。患者との関わり方、基本的傾聴など初心に戻り、改めて学び直すと、意外に出来ていなかったなーと反省することも多かったです。また、感情について学び、小グループやペアで感情を追う練習をしたり、ロールプレイを行ったり、盛りだくさんの充実した時間を持つことができました。研修で学んだことを、治療の場で生かしていきたいと思います。

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監修

加藤 正
加藤 正医療法人和心会 あらたまこころのクリニック 院長
【出身校】名古屋市立大学医学部卒業
【保有資格】精神保健指定医/日本精神神経学会 専門医/日本精神神経学会 指導医/認知症サポート医
【所属】日本精神神経学会/日本うつ病学会/日本嗜癖行動学会理事/瑞穂区東部・西部いきいきセンター
【経歴】厚生労働省認知行動療法研修事業スーパーバイザー(指導者)の経験あり。2015年より瑞穂区東部・西部いきいきセンターに参加し、認知症初期支援集中チームで老人、高齢者のメンタル問題に対し活動を行っている。日本うつ病学会より「うつ病の薬の適正使用」のテーマで2019年度下田光造賞を受賞。
【当院について】名古屋市から、「日本精神神経学会から専門医のための研修施設」などに指定されている。