厚労省が行う認知行動療法研修会に参加しました
ベルサール飯田橋駅前(東京)で行われた研修会に心理士2名が参加してきました。
厚生労働省 平成24年度 認知行動療法研修事業
うつ病の認知療法・認知行動療法研修会(多職種向け研修会)
- 日 程:
- 平成 25年 1月 16日(水)9:30−17:00
- 講 師:
- 大野裕先生・田島美幸先生・田村法子先生
(独立行政法人国立精神・神経医療研究センター認知行動療法センター)
先日の大雪で、道路の脇には積もった雪が山になっている中、300人ほどの参加者が集まりました。
研修は、認知療法・認知行動療法の概要から面接場面でのコラム法の進め方など、盛りだくさんの内容でした。
- ~主な内容~
- 認知療法・認知行動療法の概要
- こころのクセテスト
- 治療セッションの構造 行動活性化
- 認知再構成法
- 問題解決・アサーション
特に、認知療法・認知行動療法は、マニュアルや認知再構成法(コラム法)などのツールにばかり目が行きがちですが、「患者さんの経験を大切にすること」が一番大切であるということを、大野裕先生が何度も繰り返し話されていたのがとても印象的でした。また、決して「マイナス思考」を「ポジティブ思考」に変えるのではなく、「現実に目を向け、しなやかに考えて現実の問題に対処する」ことが大切であると改めて感じました。
- 認知療法・認知行動療法のポイント
- 認知(ものごとの考え方・受けとり方といった“情報処理”)に目を向ける
- 頭の中だけでなく体験(行動)を通して気づきを広げていく
- 現実の問題と作りだした問題を区別する
研修では、こころのクセテスト(白黒思考やべき思考など、考え方や受けとり方のクセを知るテスト)を実際にやってみたり、DVDを見ながら、良くない認知行動療法の治療者の例についてのお話もしていただきました。
- 気合い療法
治療者がマニュアルにばかり気をとられ、患者さんに十分に説明もせずにコラム法の宿題を出したり、説明ばかりに終始して患者さんの気持ちに共感していない、「気合いで何とかする」治療法。これではなかなか良くなりません。
「患者さんの気持ちを大切にしながら、一緒に問題解決を行っていく」
この姿勢を忘れず、今後も患者さんの困りごとに一緒に向き合っていきたいと思います。
関連ページ
独立行政法人国立精神・神経医療研究センター認知行動療法センター 厚生労働省研修プログラム
(なお、当医院院長の加藤正は、研修事業の平成23年度指導医として、本事業で研修を受講した精神科医に認知行動療法の指導(スーパービジョン)を行いました。)
関連する情報
監修
-
【出身校】名古屋市立大学医学部卒業
【保有資格】精神保健指定医/日本精神神経学会 専門医/日本精神神経学会 指導医/認知症サポート医
【所属】日本精神神経学会/日本うつ病学会/日本嗜癖行動学会理事/瑞穂区東部・西部いきいきセンター
【経歴】厚生労働省認知行動療法研修事業スーパーバイザー(指導者)の経験あり。2015年より瑞穂区東部・西部いきいきセンターに参加し、認知症初期支援集中チームで老人、高齢者のメンタル問題に対し活動を行っている。日本うつ病学会より「うつ病の薬の適正使用」のテーマで2019年度下田光造賞を受賞。
【当院について】名古屋市から、「日本精神神経学会から専門医のための研修施設」などに指定されている。
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