第3回 東海メンタルヘルス研究会
12月8日(土)
ANAクラウンプラザ ホテルグランコート名古屋 ローズルームにて行われた、「第3回東海メンタルヘルス研究会」に参加してきました。
【概要】
一般演題座長:林内科クリニック 院長 林吉夫先生
演題1:「心療内科における頻回休職者の検討 -1回休職者と比較して-」
演者:労働者健康福祉機構 中部労災病院心療内科
勤労者メンタルヘルスセンター 阿部桂大先生
演題2:「職場復帰困難事例への対応 ~事例を通して~」
演者:三菱重工業(株)大江西健康管理科 産業医 石川浩二先生
特別講演座長:労働者健康福祉機構 中部労災病院心療内科
勤労者メンタルヘルスセンター長 芦原 睦先生
演題:「メンタルヘルスオムニバス -うつ病に焦点をあてて-」
演者:日本私立学校振興・共済事業団 東京臨海病院
メンタルクリニック部長 荒井稔先生
阿部先生の発表では、現代型と表現されるうつ病の特徴として、
・依存心が強く、未熟なパーソナリティ
・他者配慮に乏しく、他責的傾向が強い
・几帳面、律義ではなく、趣味を淡々と続ける傾向
などが挙げられていました。また、頻回休職者の傾向として、
・受診前からコミュニケーションスキルの乏しさを自覚している
・若年で未婚、正規雇用されている
・身体症状の自覚が乏しく、抑うつ、不安レベルが高くない
などが挙げられていました。
石川先生の発表では、復職にあたっては、元の職場に戻るのが原則であること、本人に死にたい気持ちが強いが職場には黙っておいて欲しいというケースでは、まずは死んでしまいたいという気持ちをじっくり聞くこと、黙っておいて欲しいという気持ちを尊重しつつも他者の支援の必要性や専門医への受診を説得すること、そして、「絶対自殺しない約束をする」など、ご自身の経験された事例を通して、話していただきました。
特別講演の荒井先生の発表では、現代では様々な観点から企業でのメンタルヘルス対策が必須となっていること、以前は会社に終生の絆を求め、会社自体が便利なよりどころであったが、今では会社に対して抱くイメージが変わってきていることなどを、ご自身の経験と豊富な知識からお話しされていました。
また、石川先生の発表の中で、紹介できる専門医とのネットワークづくりが課題と話されていたので、当院としても、産業医とのスムーズな連携が今後の課題であると感じました。
関連する情報
監修
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【出身校】名古屋市立大学医学部卒業
【保有資格】精神保健指定医/日本精神神経学会 専門医/日本精神神経学会 指導医/認知症サポート医
【所属】日本精神神経学会/日本うつ病学会/日本嗜癖行動学会理事/瑞穂区東部・西部いきいきセンター
【経歴】厚生労働省認知行動療法研修事業スーパーバイザー(指導者)の経験あり。2015年より瑞穂区東部・西部いきいきセンターに参加し、認知症初期支援集中チームで老人、高齢者のメンタル問題に対し活動を行っている。日本うつ病学会より「うつ病の薬の適正使用」のテーマで2019年度下田光造賞を受賞。
【当院について】名古屋市から、「日本精神神経学会から専門医のための研修施設」などに指定されている。
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