睡眠障害・不眠症
INSOMNIAINSOMNIA
不眠症などの睡眠障害は
疲労感や
注意力の減少などの症状を伴います
「寝つきが悪い」「睡眠中何度も目が覚める」「十分な睡眠時間を確保しているのに疲れが取れない」などの症状が1ヶ月間以上続き、日中の倦怠感・意欲低下・集中力低下・食欲低下などによって生活に支障をきたす状態を睡眠障害といいます。不眠が続くと布団に入ってもなかなか眠れないため、緊張感や不安感、翌日の心配が増悪して眠れず、昼寝や寝酒などによって無理に眠ろうとする不適切な習慣でさらに不眠が悪化するという悪循環に陥り、不眠が慢性化します。また、睡眠薬を誤った方法・投薬量で使用することで、薬が手放せなくなることもあります。
睡眠障害は、心理的原因や身体的原因、精神医学的原因などがきっかけとなるため、ストレスを感じやすい方や、生活リズムが不規則な方などが睡眠障害を発症しやすい傾向にあるといわれています。日本では、5人に1人が不眠で悩み、20人に1人が睡眠薬を服用しています。
また、うつ病や社交不安障害(あがり症)、統合失調症などの精神疾患や薬の副作用が原因となり、発症する場合もありますが、早期に発見して適切な治療を行うことにより改善することが可能なため、専門的な診療を受けることが大切です。
不眠症の種類 TYPE
不眠症は、大きく分けて4つのタイプに分けられます。寝つきの悪い「入眠障害」、眠りが浅く途中で何度も目が覚める「中途覚醒」、早朝に目が覚めてしまう「早朝覚醒」、ある程度眠ってもぐっすり眠れたという満足感(休養感)が得られない「熟眠障害」です。
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01
入眠障害
寝床に入ってもなかなか眠ることができず、寝つきが悪い状態
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02
中途覚醒
入眠から起床するまでに、頻繁に目が覚めてしまう状態
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03
早朝覚醒
望む時間よりも前に目が覚めてしまい、再入眠できない状態
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04
熟眠障害
睡眠時間を十分に取っているにもかかわらず、眠った感覚が得られない状態
こんなお悩み
ありませんか?
次のような症状は、
睡眠障害の可能性があります
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布団に入ってもなかなか寝付けない
夜中に目が覚めて、布団の中で悶々としている
早朝に目が覚めてしまい、なかなか眠れない
熟睡できず、十分に寝た気がしない
睡眠中に夢を見ることが多い
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眠れなかったらどうしようと不安になったり、布団・ベッドに行くことが怖い
眠気が起きないので、気晴らしのため寝る前に飲酒やスマホを触ることが多い
日中でも眠気やだるさが襲い、集中力がなくなる
当院での治療法 -TREATMENT-
不眠症は、3分の1が原発性不眠(いわゆる不眠症)、3分の1がうつ病や不安障害によって起こる二次性不眠、そして残り3分の1が睡眠時無呼吸症候群などの身体疾患や薬剤によって起こる二次性不眠です。睡眠障害の治療法は、患者様の考え方や生活環境などによって大きく異なるため、当院では、患者様の抱える悩みや苦しみなどをお聞きした上で、最適な治療法を実践していきます。
また、薬に頼らない治療を目標として、睡眠薬の投薬量を必要最小限に抑えつつ効果が最大限発揮されるよう、薬の選定や投薬のタイミングを調整することはもちろん、カウンセリングや、同じ問題で悩む仲間とのグループ療法・復職デイケアによってストレス対処法を習得していきます。
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薬物療法
薬物療法
不眠症は、患者様の症状や不眠症のタイプ、生活環境、睡眠薬の特徴などを見極めた上で、適切な睡眠薬の処方と投薬量を判断することが重要です。
当院は、睡眠薬を処方する場合でも、投薬量の調節や他の睡眠薬への変薬などを段階的に行うなど、医学的根拠に基づいた薬物療法によって早期の症状改善を目指しながらも、精神療法を含めた総合的なアプローチを行います。なお、当院の院長である加藤正は、睡眠薬などの処方薬の依存を防止する啓蒙活動を行い、名古屋市医師会において、患者様が薬を手放すための医師向け講演や論文執筆を行なっています。 -
精神療法
精神療法
不眠症は、毎日の生活の中に原因があることが多いため、環境変化や生活リズムの乱れ、日中の対人関係や仕事のストレス、他の精神疾患などをお聞きしながら、不眠症が持続する悪循環を見つけて改善を目指します。不眠症の方は、不眠に対する心理的な不安が大きく、たとえ睡眠薬自体に依存性がなくても(漢方薬でも)、「睡眠薬を手放す不安」によって不眠症が悪化することもあるため、精神的な治療と上手く組み合わせる必要があります。
認知行動療法的なアプローチやグループ治療、マインドフルネス、復職デイケア(リワークデイケア)などを組み合わせて適切な治療を行います。
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不眠に特化した認知行動療法
不眠症は、毎日の生活の中で不眠を誘発する「誘発因子」と、不眠状態が続く「維持因子」の二つの因子に、元々の体質が加わって発生します。例えば、ペットが亡くなったことによる不眠症であれば、ペットの死が誘発因子です。不眠症を発症した結果、寝る前にスマホを見たり寝酒をしているのであれば、これらが維持因子となります。このような悪循環を断ち切り、本来の睡眠サイクルを取り戻します。
詳しくは「認知行動療法とは」をご覧ください。 -
復職デイケア(リワークデイケア)
復職デイケアでは、患者様の生活リズムを整えるとともに、対人関係でストレスを感じやすい方が人と関わる際のコツを身につけることで、不眠治療を進めることを目標としています。
当院では、「心の地図」「復職への設計図」作成による心の整理を行うだけでなく、生活リズムの改善や、デイケアメンバーとの交流による対人関係能力の向上を目指します。また、認知行動療法やアサーション、オフィスワーク、ジョブミーティングなど、患者様にとって最善のプログラムを実施していきます。
ご家族・周囲の方へ -FAMILY-
睡眠障害は、ストレスを感じやすい方や、生活リズムが不規則な方などが睡眠障害を発症しやすい傾向にあるため、誰がいつ発症してもおかしくない身近な病気です。
患者様の年齢によって症状が異なり、若い方では夜更かしをしがちになって朝起きられなくなります。また、中高年は寝つきが悪くなって、寝ている途中で目がさめるようになることが多いのが特徴です。高齢者の場合は、熟睡できる時間が短くなり、夜の早い時間に眠くなって朝起きるのが早くなるなど、年齢によって様々なパターンがあります。
睡眠障害は、光と温度、そして音が重要なポイントです。寝る前にスマホやパソコンのブルーライトを見続けたり、早朝、寝ている間に日光を浴びてしまったりすると熟睡できなくなってしまいます。また、入浴時間が遅いことで入眠時の体温が高まったり、睡眠中の物音(ペットの鳴き声など)などで起こされたりすることも睡眠障害の引き金となりますので、ご家族の方は、光と温度、そして音に気を配り、睡眠環境を整えてあげることが大切です。
不眠症や過眠症などの睡眠障害を発症している方は、次のようなサインを発するため、「以前と様子が違う」「何だか変だ」と感じた場合は、当院へご相談ください。
睡眠障害の人が発するサイン
- 子供が夜更かしをしがちで朝起きられなくなった
- 寝付きが悪く、夜中に途中で目が覚めるようになった
- 眠ろうとして早い時刻に布団に入っているが、寝付いていない
- 日中に居眠りするようになった
- 朝起きても、眠くて二度寝をするようになった
- 寝る前に飲酒することが増えた
- 寝る前にスマホを触っている時間が増えた