あがり症、社交不安障害、社会不安障害の体の症状 震え、赤面
目次
あがり症、社交不安障害、社会不安障害の体の症状とは
本来は自然な体の反応だが、意識するとどんどん悪化してしまう⁉
まとめ
・あがり症、社交不安障害、社会不安障害の体の症状とは
あがり症、社交不安障害では、不安を感じる時に以下のような体の反応が見られることがあります。
・赤面、顔が赤くなる
緊張したり不安になる場面で、頬や耳が赤くなります。顔が赤くなることは自然なことではありますが、本人にとっては、周りがびっくりするくらい赤くなっているような感じがしているので、顔が赤くなりそうな状況を避けがちになり、どんどん不安になってしまいます(赤面恐怖)。
・手足の震えや声の震え
緊張すると、筋肉に力が入り、手足や声が震える(振戦)ことがあります。意識するとますますひどくなりがちで、震えないようにするために力を入れたり、手をもう片方の手で押さえたりするようになったりすることもあります。症状が出る場面によっては、仕事などに大きな支障をきたすことがあります。
・動悸
動悸も、緊張したり不安になった時には非常によく見られます。人前で話したり何かするような場面で、まるで心臓が飛び出すくらいバクバクするように感じることもあります。
・発汗
額や顔、手や脇に、滝のように汗が流れ、なかなか止まらないことに悩む人もいます。汗をかくことが気になり、着る服が限られたり、人と会ったり話したりすることを避けるようになることもあります(発汗恐怖)。
このほかにも、
・はき気
・顔のこわばり
・息苦しさ
・口や喉の渇き
・めまい
などの症状が見られることがあり、あがり症、社交不安障害の患者さんの多くは、これらの体の症状に非常に苦しめられています。「震えさえなければ」「顔さえ赤くならなければ」「汗さえかかなければ」と思うことも多いでしょう。
本来は自然な体の反応だが、意識するとどんどん悪化してしまう⁉
先ほど紹介した体の反応は、不安や恐怖を感じた時に、脳から自律神経に指令が下されて起こる反応です。自律神経には交感神経(興奮)と副交感神経(リラックス)があり、不安や恐怖を感じた時に優位になるのは交感神経です。
交感神経が優位の時に起こるのが、動悸、発汗などの反応です。これらの体の反応は程度の差はありますが、誰でも緊張すれば体験するものです。
しかし、あがり症、社交不安障害の方の場合これらの体の反応を意識し始めると、ますます不安になり、ますます体の反応も強くなってしまいます。そして、そのような体の反応が出た状況(例えば人前で話したり食事をする状況、名刺を渡したり文字を書く状況、人ごみ)に対する苦手意識が、ますます強くなっていってしまうのです。
体の症状は、抑えようとすればするほど、意識が自分の体に向いてしまい(自己注目)、悪循環になってしまうので、薬物療法や認知行動療法などによってこの悪循環から抜け出すことが大切です。
まとめ
あがり症、社交不安障害、社会不安障害では、赤面、手足や声の震え、動悸、発汗などの体の反応が見られます。これらの体の反応は、程度の差はありますが、誰でも緊張すれば体験するものです。
しかし、あがり症、社交不安障害の方の場合、これらの体の反応を意識したり、抑えようとすればするほど、ますます症状が強くなる悪循環になってしまうので、薬物療法や認知行動療法などによってこの悪循環から抜け出すことが大切です。
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<社交不安障害(あがり症)についての記事はこちら>
社交不安障害・社会不安障害・あがり症から考える、薬に頼り切らない治療。
【ガイダンス】あがり症・社交不安障害を正しく知って治療を計画的に進めましょう(入門記事の目次あり)
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関連する情報
監修
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【出身校】名古屋市立大学医学部卒業
【保有資格】精神保健指定医/日本精神神経学会 専門医/日本精神神経学会 指導医/認知症サポート医
【所属】日本精神神経学会/日本うつ病学会/日本嗜癖行動学会理事/瑞穂区東部・西部いきいきセンター
【経歴】厚生労働省認知行動療法研修事業スーパーバイザー(指導者)の経験あり。2015年より瑞穂区東部・西部いきいきセンターに参加し、認知症初期支援集中チームで老人、高齢者のメンタル問題に対し活動を行っている。日本うつ病学会より「うつ病の薬の適正使用」のテーマで2019年度下田光造賞を受賞。
【当院について】名古屋市から、「日本精神神経学会から専門医のための研修施設」などに指定されている。
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