うつ病にも体の痛みがある?痛みの症状と原因、治療方法について解説
うつ病による身体の痛みがあるのをご存じでしょうか?痛みは日常生活に支障をきたすだけでなく、精神的にも辛いものですよね。
今回は、あまり知られていないうつ病と体の痛みの関係について解説していきます。
- 「ケガをしたわけでもないのに体が痛む」
- 「痛みが長い間続いているけど原因がわからない」
- 「うつ病で体の痛みって出るの?」
- 「うつ病の体の痛みは何科にいけばいいの?」
という方は、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
また、あらたまこころのクリニックでは、うつ病、女性のうつ病、躁うつ病、新型うつ病などさまざまなうつ病に対応した治療を行なっております。
うつ病の症状を治したい、よくしたいという方は、ぜひ一度当院にご相談くださいませ。
うつ病の身体的症状について
うつ病での痛みの症状があらわれる場所は、頭、首や肩、腰、背中、胃、関節など、人によってさまざまです。
うつ病は「気分が沈む」「やる気がでない」など、こころの病気だと思われがちですが、実際には「精神的な症状」だけでなく「身体的な症状」の両方が出てきます。
うつ病の人の約6割が痛みを感じている?
「うつの痛み」情報センターから2010年に発表されたデータでは、以下のように記されております。
患者さんの6割が「痛み」を経験し、「痛み」の特徴は「頭」「肩」「胃」が多く、8割が「鈍い」痛み
引用元:「うつの痛み」がうつ病の回復を妨げると感じる患者さん68.6%!-シオノギ製薬
こんなに多くの方が「痛み」を感じているのにも関わらず、うつ病の症状に痛みがあることはあまり知られていません。そのため、心療内科・精神科などの専門医の受診をしなかったり、うつ病患者であっても医師に症状を訴えず、うつ病の回復に影響しているのが現状です。
鎮痛薬が効かない?うつ病の体の痛みの原因
うつ病の痛みは、通常ロキソニンなどの鎮痛薬が効きません。さらに整形外科や総合内科で検査をしてもこれといった病気も見つかりません。
これは、体が痛みを感じるのではなく脳が体の痛みを感じているためです。脳の扁桃体という場所が関係していて、不安やイライラなどの心理状態が無意識に向き合うことを避けるため、体の特定部分に痛みを引き起こすとされています。
「脳の痛みが体の痛みを変え、体の痛みが脳を変える」と説明する専門家もいらっしゃいます。一方で、慢性疼痛の痛みや不快感がストレスを引き起こし、うつ病となるケースも少なくありません。
うつ病を見分けるサインは?
一つのサインとして、ケガの覚えがない痛みや、3ヶ月以上痛みが続く慢性疼痛の場合はうつ病の可能性があります。
「痛み」には以下の種類がありますが、これらの要因が複雑に絡み合って、うつ病の痛みが引き起こされることも少なくありません。
- ケガなどによる痛み
- 神経痛による痛み
- 心因性の痛み
このように痛みの原因が分からず、何科を受診すればいいか迷われる方も多いでしょう。
うつ病の痛みは何科にかかるべき?
原因がわからない痛みの症状や、3ヶ月以上痛みが続く慢性疼痛の場合は、精神科や心療内科を受診しましょう。 痛みが鈍いと言っても、その痛みは思っているよりも深刻でつらい場合があります。
痛くて仕事に集中できない、家事をすることができないなどの日常生活への影響や、さらに気分が落ち込みうつ病の病状全体が悪化する、という悪循環に陥ってしまう事もあります。
うつ病のより早い回復のために、痛みに注目した治療をすることが大切です。気持ちの変化だけでなく、体の痛みの症状や、症状の変化などを感じたら、適切な治療を受けるためにも主治医や精神科、心療内科に相談してみてください。
うつ病の痛みの治療方法
うつ病に伴う痛みは、トリプタノールやSSRIのような抗うつ薬がいいこともあります。うつ病は再び症状が現れることの多い病気のため、再発を防ぐためにも早期に受診し、医師の指示のもと十分な量を十分な期間服用することが大切です。
薬物療法以外には、認知行動療法、心理療法などがありますが、まずは十分な休養をとって心と体を休ませることがうつ病治療の第一歩です。
関連ページ:うつ病の治療経過と再発リスクについて
まとめ
ここまで、うつ病の体の痛みについて解説をしてきました。
- うつ病の痛みは、首、肩、腰、背中、など人によってさまざま
- うつ病の6割の人は体の痛みを感じている
- うつ病の痛みは、脳が痛みを感じることで起きるため鎮痛剤が効かない
- うつ病の痛みには、抗うつ薬が効果を発揮する場合がある
うつ病の方もそうでない方も原因がわからない痛みの症状がある場合や、3ヶ月以上痛みが続く慢性疼痛の場合は、精神科や心療内科を受診すること がおすすめです。
うつ病と診断された患者様は人それぞれ症状が異なります。そのため、あらたまこころのクリニックでは、原因の究明をまず大前提とし、一人一人にあった薬物療法と精神療法をご提案しています。
もし躁うつ病、新型うつ病、女性のうつ病などのうつ病でお悩みでしたらぜひ当院までご相談ください。
関連ページ:初めての方へ当院のご説明
関連ページ:うつ病のよくある質問
関連する情報
監修
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【出身校】名古屋市立大学医学部卒業
【保有資格】精神保健指定医/日本精神神経学会 専門医/日本精神神経学会 指導医/認知症サポート医
【所属】日本精神神経学会/日本うつ病学会/日本嗜癖行動学会理事/瑞穂区東部・西部いきいきセンター
【経歴】厚生労働省認知行動療法研修事業スーパーバイザー(指導者)の経験あり。2015年より瑞穂区東部・西部いきいきセンターに参加し、認知症初期支援集中チームで老人、高齢者のメンタル問題に対し活動を行っている。日本うつ病学会より「うつ病の薬の適正使用」のテーマで2019年度下田光造賞を受賞。
【当院について】名古屋市から、「日本精神神経学会から専門医のための研修施設」などに指定されている。
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