健康づくりのための睡眠12箇条
【目次】
1.不眠って?
2.【睡眠12箇条】をおさえよう
3.今回のまとめ
はじめに
今年度もあと1ヶ月となりました。年度替わりには、環境の変化がつきものです。例えば、引っ越し、仕事の人員変更など様々です。気温も寒くなってきました。このような環境変化が生じるときには、睡眠に影響が生じ、不眠になることがあります。
不眠は、日中のパフォーマンスに影響を与えるのみならず、うつ病、認知症、生活習慣病などと関連していると言われています。
厚生労働省は良い睡眠を取るための【睡眠12箇条】というものを発表しています(厚生労働省健康局 健康づくりのための睡眠指針2014)。
そこで今回は、【睡眠12箇条】について、ご紹介したいと思います。
不眠って?
今の時代、“不眠”という言葉は日常でよく用いられています。
不眠には大きくわけて、入眠困難(寝つくのに一定時間がかかる)、中途覚醒(夜中に何度も目が覚め、再入眠しづらい)、早朝覚醒(起床予定時間よりも早くに目が覚め、再入眠しづらい)、熟眠障害(一定時間眠ったにも関わらず、満足のいく睡眠が取れていない)の4つがあります。厚生労働省によれば、日本人を対象とした調査で、5人に1人が、何らかの睡眠のトラブルがあると回答している現状があります。
【睡眠12箇条】をおさえよう
厚生労働省健康局が発表した“健康づくりのための睡眠指針2014”は以下のようになっています。
第1条:良い睡眠で、からだもこころも健康に。
第2条:適度な運動、しっかり朝食、ねむりとめざめのメリハリを。
→睡眠薬代わりの寝酒は睡眠を悪くする。就寝前の喫煙やカフェイン摂取を避ける。
第3条:良い睡眠は、生活習慣病予防につながります。
→睡眠時無呼吸は生活習慣病の原因になる。肥満は睡眠時無呼吸のもと。
第4条:睡眠による休養感は、こころの健康に重要です。
第5条:年齢や季節に応じて、ひるまの眠気で困らない程度の睡眠を。
→必要な睡眠時間は人それぞれ。睡眠時間は加齢で徐々に短縮。年をとると朝型化。男性でより顕著。
第6条:良い睡眠のためには、環境づくりも重要です。
第7条:若年世代は夜更かしを避けて、体内時計のリズムを保つ。
→休日に遅くまで寝床で過ごすと夜型化を促進。朝目が覚めたら日光を取り入れる。
第8条:勤労世代の疲労回復・能率アップに、毎日十分な睡眠を。
→睡眠不足が蓄積すると回復に時間がかかる。午後の短い昼寝で眠気をやり過ごし能率改善
第9条:熟年世代は朝晩メリハリ、ひるまに適度な運動で良い睡眠。
→寝床で長く過ごしすぎると熟睡感が減る。適度な運動は睡眠を促進。
第10条:眠くなってから寝床に入り、起きる時刻は遅らせない。
→眠たくなってから寝床に就く。就床時刻にこだわりすぎない。眠りが浅いときは、むしろ積極的に遅寝・早起きに。
第11条:いつもと違う睡眠には、要注意。
→睡眠中の激しいいびき・呼吸停止・手足のぴくつき・むずむず感・歯ぎしりは要注意。眠っても日中の眠気や居眠りで困っている場合は専門家に相談。
第12条:眠れない、その苦しみをかかえずに、専門家に相談を。
→専門家に相談することが第一歩。薬剤は専門家の指示で使用。
(本記事では、一部抜粋して記載しております。詳しくは厚生労働省のホームページよりご確認ください。)
これらの12箇条を意識して、良い睡眠習慣を作っていくことが大切です。
今回のまとめ
睡眠は健康維持に欠かせない、大切なものです。“健康づくりのための12箇条”を参照し、より良い睡眠習慣を作りましょう。不眠でお困りの方は、専門機関にご相談ください。
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監修
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【出身校】名古屋市立大学医学部卒業
【保有資格】精神保健指定医/日本精神神経学会 専門医/日本精神神経学会 指導医/認知症サポート医
【所属】日本精神神経学会/日本うつ病学会/日本嗜癖行動学会理事/瑞穂区東部・西部いきいきセンター
【経歴】厚生労働省認知行動療法研修事業スーパーバイザー(指導者)の経験あり。2015年より瑞穂区東部・西部いきいきセンターに参加し、認知症初期支援集中チームで老人、高齢者のメンタル問題に対し活動を行っている。日本うつ病学会より「うつ病の薬の適正使用」のテーマで2019年度下田光造賞を受賞。
【当院について】名古屋市から、「日本精神神経学会から専門医のための研修施設」などに指定されている。
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