月経前不快気分障害~生理前の女性ホルモンの変化~
目次
PMSとPMDD
PMDDの定義
まとめ
はじめに
月経の数日前から月経がはじまるまでの間に、下腹痛、便秘、吐気、乳房の痛み、のぼせ、イライラ、うつ気分になるなど、様々な症状が出る女性は多く見られます。
月経のある女性の50%~70%が、そういった症状を持っていると言われています。
PMSとPMDD
PMS
少し辛いが日常生活を送れる程度のものを「月経前症候群」(PMS)といい、症状は、全体に軽症で、月経の始まりと同時に消えていくのが普通です。
PMDD
月経のある女性の5%の女性に見られる、さらに重症なものを「月経前不快気分障害」(PMDD)といいます。
PMDDは、PMSと同じような身体症状が現れますが、さらに日常生活さえもままならないほどの気分の悪化が現れます。
普段は全くうつ症状のない女性が、月経開始数日前から、抑うつ感や不安感などの精神症状が前面に出て、社会および家庭生活を送るうえで大きな障害となります。時には、攻撃的、暴力的になったり、重度の抑うつ感から自殺関連行動をとることさえあります。
このような症状は、月経開始から数日後には消失し、全く普通の精神状態に戻ります。
PMDDの原因は、女性ホルモンなどの異常や、脳内神経伝達物質(セロトニン)の欠乏などとする説がありますが、まだはっきりとはわかっていません。
しかし、PMDDは病気ですので、PMDDが疑われるようであれば、早めに専門医に受診することをお勧めします。
PMDDの定義
参考までに、DSM-5におけるPMDDの定義を以下に示します。
PMDD(DSM-5)
※参考文献『DSM-5 精神疾患の診断・統計マニュアル』(医学書院)
まとめ
月経のある女性の50-70%が、月経の数日前から月経がはじまるまでの間に何らかの症状を持つと言われています。
それらの症状は、月経開始数日以内に軽快して、無くなっていきます。
少し辛いが日常生活を送れる程度のものを「月経前症候群」(PMS)、さらに重症なものを「月経前不快気分障害」(PMDD)といいます。
PMDDは女性の5%に生じ、日常生活さえもままならないほどの気分の悪化が現れます。
PMDDが疑われるようであれば、早めに専門医を受診することをお勧めします。
関連する情報
監修
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【出身校】名古屋市立大学医学部卒業
【保有資格】精神保健指定医/日本精神神経学会 専門医/日本精神神経学会 指導医/認知症サポート医
【所属】日本精神神経学会/日本うつ病学会/日本嗜癖行動学会理事/瑞穂区東部・西部いきいきセンター
【経歴】厚生労働省認知行動療法研修事業スーパーバイザー(指導者)の経験あり。2015年より瑞穂区東部・西部いきいきセンターに参加し、認知症初期支援集中チームで老人、高齢者のメンタル問題に対し活動を行っている。日本うつ病学会より「うつ病の薬の適正使用」のテーマで2019年度下田光造賞を受賞。
【当院について】名古屋市から、「日本精神神経学会から専門医のための研修施設」などに指定されている。
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