やる気を取り戻すためのステップ-コロナ不安・コロナうつ予防のために⑥
目次
・コロナストレス、コロナうつ、コロナ疲れ、コロナ不眠。体内時計の乱れに注意!(その①)
・心の病気は体内時計や生活リズムと関係が深い(その②)
・まず行動を少しだけ変えてみよう(その③)
・やる気が出ないときは、少し工夫してみよう
やる気が出る仕組みを利用しよう(その④)
“まず5分”行動するために、小ネタを見つけよう(その⑤)
小ネタで大切なことは、数・しょぼさ・盛り込み(その⑥)
小ネタを探すコツ(その⑦)
やり始めの大変さを乗り切るコツ(その⑧)
・家族のストレスとコミュニケーション
伝え方を工夫しよう~OKワードとNGワード~(その⑨)
コミュニケーションの3つのパターン(その⑩)
相手も自分も大切にする伝え方(その⑪)
・新型コロナウイルス(COVID-19)の流行下の、こころの健康維持の11個のコツ(日本うつ病学会より引用)(その⑫)
先が見えない生活に疲れて、元気が出ないときは、「ほっこりする」「やる気」スイッチを入れる~行動活性化のコツ~
小ネタを探すコツ
前回は、小ネタについて説明し、それを生活の中にちりばめていくことの大切さをお話ししました。
今回は、小ネタを見つけ、生活の中に取り入れていくための、4つのステップをお伝えしていきます。
① 小ネタ探し!!
やりたいことをリストアップしていきます。探すには2つの方法があります。
1つめ:今の日常生活を振り返って、気持ちが軽くなったり、楽しめたり、達成感があった行動は何でしょうか?例えば…
• 料理で、いつもと違ったメニューを作る
• 家の掃除/部屋の整理整頓
• 先延ばしにしていた計画をやってみる
• 友人に連絡を取る
• 筋トレやヨガなど家でも出来る運動
• 手芸などの手作業(マスク作り)
• 絵や楽器などの芸術活動etc。
2つめ:過去の楽しかった経験を思い出してみるのも良いでしょう。何がありますか?
• 〇〇年代のポップ音楽popsを聴く
• 長期連載の漫画を読み直してみる
• 録画した過去の名作を見る
• DVD Boxを見てみるetc
小ネタ候補が見つかったら、達成感や喜びを“たくさん感じられて”、“すぐにできそうなもの”から優先して行っていきます。
② やってみる!!
やりたいことが見つかったら、次は実行です。
ここが最大の難関です。大切なのは実験の精神でとりあえずやってみることです。
計画通りにいかないことは、よくあります。
実行ができなかった場合は、新たに計画を立てて→またやってみます。(次回、この難所を乗り切るコツについて詳しくお伝えします。)
③ 点数をつける!!
やってみて自分の気分がどのように変わるかを観察し、点数を付けます。今までで最高の達成感/喜びを10点。何も感じなかった場合は0点です。
良かった小ネタ/そうでもなかった小ネタをストックしていきます。
④ 小ネタを盛り込む!!
集めた小ネタを、生活の随所に盛り込んでいきましょう。
自分が監督になったつもりで小ネタを生活(映画)の中に盛り込む
いきなり個人的な話で恐縮ですが、私(加藤)は、小ネタが効いたドラマや映画を好んで観ます。最近では「翔んで○○」とか。ゲラゲラ笑ったり、すごい大感動があるわけではないけれども、小ネタが効いて「ちょっとクスッと笑える」(私だけの感性かもしれませんが)、小ネタ連発で最後までいっきに引き込まれます。行動活性化で大事なことは2時間映画を観ることではなく、数分の小ネタを生活の中に、たくさん用意することです。一つ一つの小ネタで行動を活性化していきます。
監督が「どの小ネタが観客のツボに受けるだろうか」と楽しみながら小ネタをいっぱい散りばめているようなイメージです。人によって、当たるツボは人によって違うので、自分用に小ネタを用意します。自分が監督になり、観客である自分を客観的に観察して、受けそうな小ネタをいっぱい散りばめていく。それで、日常の生活(映画)が少しほっこりしたり、やる気が出たりするようになっていきます。
(今回のまとめ)
• やる気がでないときに行動してみるための「小ネタ」を見つけ、生活に取り入れていくためには、①小ネタ探し、②やってみる、③点数をつける、④小ネタを盛り込む、の4つのステップがあります。
• 小ネタ探すときには、①日常生活の中から探す②過去の思い出の中から探す、の2つの方法があります。
• 「やってみる」のが最大の難関ですが、実験の精神でやってみて、できなかったら新たに計画を立て直せば大丈夫です。
• やってみたら、点数をつけ、生活を映画に見立てて、自分が監督になったつもりで自分のツボにハマる小ネタを散りばめていきましょう。
次回は、最大の難関である“はじめの一歩”を乗り切るコツをお伝えします。
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<行動活性化についての記事はこちら>
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関連する情報
監修
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【出身校】名古屋市立大学医学部卒業
【保有資格】精神保健指定医/日本精神神経学会 専門医/日本精神神経学会 指導医/認知症サポート医
【所属】日本精神神経学会/日本うつ病学会/日本嗜癖行動学会理事/瑞穂区東部・西部いきいきセンター
【経歴】厚生労働省認知行動療法研修事業スーパーバイザー(指導者)の経験あり。2015年より瑞穂区東部・西部いきいきセンターに参加し、認知症初期支援集中チームで老人、高齢者のメンタル問題に対し活動を行っている。日本うつ病学会より「うつ病の薬の適正使用」のテーマで2019年度下田光造賞を受賞。
【当院について】名古屋市から、「日本精神神経学会から専門医のための研修施設」などに指定されている。
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