日本アルコール関連問題学会 第2回東海北陸地方会
平成23年5月8日(日)名古屋市立大学病院にて、第2回日本アルコール関連問題学会東海北陸地方会に参加してきました。
この会は、
アルコール関連問題に取り組む専門家の情報交換の場、
アルコール関連問題を持つ患者の人権を守る、
行政・医療・自助集団などとのネットワークを作る、
ということを主旨として開催されているものです。
今回は、社会的にも大きな問題となっている自殺や職場でのうつと、そこへのアルコールの関与について考える機会となりました。
記念講演では、
「アルコールとうつと自殺~産業・保健・医療・地域におけるメンタルヘルスについて~」
という表題で、国立病院機構久里浜アルコール症センター松下幸生先生にお話しいただきました。
アルコール依存症はうつ病など精神疾患との合併率が高く、大量飲酒は自殺のリスクを高めているという現状を図表などを用いて解説されました。
断酒によりうつ病の改善、自殺リスクの軽減、抗うつ薬の効果があがるなど、あらためてアルコール問題の重大さと、それに対する早期のアプローチの必要性を感じました。
シンポジウムでは、当院院長が座長を務め、愛知、三重、石川、岐阜の4人の先生にお話を聞きました。
アルコール依存症という病気は最初から専門医療機関に繋がりにくい病気です。
一般病院や産業医などと専門機関が情報を共有し、連携を取っていくことが重要であることを再確認することができました。
また、医療機関に限らず、自助グループとの協力や、行政・介護など地域における連携と、住みやすい環境作りとして、生活面でのサポート体制の構築が大切であると感じました。
関連する情報
監修
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【出身校】名古屋市立大学医学部卒業
【保有資格】精神保健指定医/日本精神神経学会 専門医/日本精神神経学会 指導医/認知症サポート医
【所属】日本精神神経学会/日本うつ病学会/日本嗜癖行動学会理事/瑞穂区東部・西部いきいきセンター
【経歴】厚生労働省認知行動療法研修事業スーパーバイザー(指導者)の経験あり。2015年より瑞穂区東部・西部いきいきセンターに参加し、認知症初期支援集中チームで老人、高齢者のメンタル問題に対し活動を行っている。日本うつ病学会より「うつ病の薬の適正使用」のテーマで2019年度下田光造賞を受賞。
【当院について】名古屋市から、「日本精神神経学会から専門医のための研修施設」などに指定されている。
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