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うつ病
うつ医療セミナーin NAGOYAに参加してきました
うつ医療セミナーin NAGOYAに参加してきました。
一般講演「うつ病治療におけるリカバリーギャップを考える」
- 日時:2017年10月28日(土)
- 演者:菊池 俊暁 先生
- 一般財団法人 認知行動療法研修開発センター理事
1. うつ病の治療において、目指すものは症状学的寛解(クリニカルリカバリー)と、機能回復(ファンクショナルリカバリー)
症状学的寛解とは残遺症状(抑うつ気分、無気力など)のない状態をいいます。うつ病スコアがゼロに近い状態です。この状態が医療側から観たリカバリー(クリニカルリカバリー)です。
そして、機能回復(ファンクショナルリカバリー)とは、症状寛解のもと、仕事や家事・育児等の社会生活や対人関係を取り戻し、余暇を充実して過ごしたりして、患者自身が満足した生活を送れるようになることを言います。
2. リカバリーギャップとは
症状寛解はしていても、患者自身が社会生活を充実・満足して送れるようになっていない状態のことをいいます。
3. ギャップを埋めるために
5つの要素
- 人とのつながり
- 希望などのものの見方・考え方
- アイデンティティ(自分らしさ)
- 意味づけ
- エンパワメント(セルフマネジメント)
があり、そのためには薬だけではない治療プログラムが必要です。具体的にいうと、認知行動療法が有効になります。
その人の強味に焦点を当てる治療を行うことで
- 自分の人生は、自分でコントロールする。人生のコントロール感がもてるようになります。
<当院の取り組み>
薬物療法と併用して、認知行動療法を用いた様々なグループ治療(集団認知行動療法、ストレスケアグループ, 再発予防グループ)を行っており、症状が寛解(クリニカルリカバリー)するだけでなく、充実した社会生活を送れる(ファンクショナルリカバリー)ことを目指します。
ご関心のある方は、クリニックまでご相談ください。
(看護師・松代)
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監修
-
【出身校】名古屋市立大学医学部卒業
【保有資格】精神保健指定医/日本精神神経学会 専門医/日本精神神経学会 指導医/認知症サポート医
【所属】日本精神神経学会/日本うつ病学会/日本嗜癖行動学会理事/瑞穂区東部・西部いきいきセンター
【経歴】厚生労働省認知行動療法研修事業スーパーバイザー(指導者)の経験あり。2015年より瑞穂区東部・西部いきいきセンターに参加し、認知症初期支援集中チームで老人、高齢者のメンタル問題に対し活動を行っている。日本うつ病学会より「うつ病の薬の適正使用」のテーマで2019年度下田光造賞を受賞。
【当院について】名古屋市から、「日本精神神経学会から専門医のための研修施設」などに指定されている。
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