体内時計の乱れに注意!-コロナ不安・コロナうつ予防のために①
目次
・コロナストレス、コロナうつ、コロナ疲れ、コロナ不眠。体内時計の乱れに注意!(その①)
・心の病気は体内時計や生活リズムと関係が深い(その②)
・まず行動を少しだけ変えてみよう(その③)
・やる気が出ないときは、少し工夫してみよう
やる気が出る仕組みを利用しよう(その④)
“まず5分”行動するために、小ネタを見つけよう(その⑤)
小ネタで大切なことは、数・しょぼさ・盛り込み(その⑥)
小ネタを探すコツ(その⑦)
やり始めの大変さを乗り切るコツ(その⑧)
・家族のストレスとコミュニケーション
伝え方を工夫しよう~OKワードとNGワード~(その⑨)
コミュニケーションの3つのパターン(その⑩)
相手も自分も大切にする伝え方(その⑪)
・新型コロナウイルス(COVID-19)の流行下の、こころの健康維持の11個のコツ(日本うつ病学会より引用)(その⑫)
今回は、①コロナストレス、コロナうつ、コロナ疲れ、コロナ不眠、②体内時計の乱れに注意!の2つのテーマについてお伝えしたいと思います。
コロナ不安、コロナうつ、コロナ疲れ、コロナ不眠
世界的に感染者数が増加するニュースが連日、1日中朝から晩まで報道され、新型コロナウイルス(COVID-19)感染に対する恐怖心や不安感、外出自粛・休業要請とそれに伴う日常生活や働き方や環境の激変などにより、感染していない人においてもメンタルヘルスへの悪影響が懸念されています。
日本でも、政府から緊急事態宣言が発令されました。会社勤めは、自宅待機、在宅勤務、学校も休校となり、先行きが見えない状況で、私たちの生活スタイルは大きく変わりました。会社勤めの人はテレワークで在宅勤務になったり、子供さんは休校になり、自宅で過ごし、お母さん共々、イライラやストレスが溜ってきていると思います。「コロナ疲れ」、「コロナうつ」、「コロナ不眠」など、様々な「コロナストレス」が生じてきている昨今です。
外出禁止などの対策は、医学的には感染拡大を抑えるために不可欠で絶対に必要ですが、慣れない生活スタイルが新たに始めることは、こころの健康を保つために必要な日常生活上のバランスを大きく崩してしまうこと面もあるので、注意が必要です。
ここで大事なことは、体内時計の乱れに注意することです
新型コロナウイルスの大流行のために、自宅で過ごす生活が長くなり、しだいに社会リズム(social rhythm)が乱れ、生物学的リズム(体内時計)が乱れてしまう可能性があります。うつ病や不眠症、双極性障害などには、社会リズムや生活リズムとの関係が深く、悪化しないように注意が必要です。
海外の医学会は、すでに注意を促し、提言を発表しています。その日本語訳を日本うつ病学会が、2020年4月7日のホームページに掲載しました。お役に立つかもしれないと思い、編集してご紹介します。
体内時計について(日本うつ病学会ホームページから引用)
こころ穏やかに過ごすために役立っている、最も重要な脳のメカニズムのひとつが、体内時計と呼ばれるものです。
この体内時計の存在のおかげで、24 時間周期の朝・夜の繰り返しに合わせて、私たちの体調や行動は連動できています。
更に、計画的で安定したスケジュールや一定の日常生活リズムは、その体内時計の働きをスムーズにすることでも知られています。
体内時計がスムーズに働くと、私たちは心地よさを感じられるようにできています。反対に、体内時計が乱れると、うつ病や糖尿病、肥満やがんなど多岐にわたる心身の状態が悪化することも研究で示されています。
新型コロナウイルスの世界的大流行のような生活を激変させる出来事に直面すると、私たちの体内時計は乱れやすくなるだけでなく、一度乱れたその体内時計を適切なリズムに戻すことも難しくなることがわかっています。
特に、仕事や子育て、人との関わりといった、一定のリズムで毎日決まって行ってきた社会的活動(日課) が失われると、体内時計が変調をきたし、正しく作動しなくなってしまいます。結果として、不眠や食欲低下、元気がなくなったり、つらい気分に陥ったりといった、時差ぼけに似たような不快な心身の症状が生じてきます。
(今回のまとめ)
新型コロナ世界的大流行のため、外出自粛など慣れない生活スタイルが新たに始まり、先の見えない状況で不安や疲れが溜まってきます。コロナ疲れ、コロナ不安、コロナうつの予防に、海外の学会の提言を参考に、体内時計に気をつけたいですね。
今後も引き続き、コロナ疲れ、コロナうつ、コロナ不安予防のために、いろいろなテーマについてお伝えしていきたいと思います。
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監修
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【出身校】名古屋市立大学医学部卒業
【保有資格】精神保健指定医/日本精神神経学会 専門医/日本精神神経学会 指導医/認知症サポート医
【所属】日本精神神経学会/日本うつ病学会/日本嗜癖行動学会理事/瑞穂区東部・西部いきいきセンター
【経歴】厚生労働省認知行動療法研修事業スーパーバイザー(指導者)の経験あり。2015年より瑞穂区東部・西部いきいきセンターに参加し、認知症初期支援集中チームで老人、高齢者のメンタル問題に対し活動を行っている。日本うつ病学会より「うつ病の薬の適正使用」のテーマで2019年度下田光造賞を受賞。
【当院について】名古屋市から、「日本精神神経学会から専門医のための研修施設」などに指定されている。
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