大人のADHD講演会 に参加しました
講演会名:成人期ADHD講演会
開催日時:9月14日(木)19:00~20:45
開催場所:ストリングスホテル名古屋
特別講演:京都大学大学院医学研究科人間健康科学系専攻発達学 十一 元三 教授
成人期ADHD講演会に参加してきました。
以前、このブログでも投稿させていただいたように、今、大人の発達障害が注目されています。
十一先生は、この分野における第一人者の先生であり、本日の研修でも、実践的なお話を伺うことができました。先日も京都で、研修を大人の発達障害についての基礎的な研修を受けて来ました。まさしく日本における発達障害研究の第一人者という心証を抱いていましたので、名古屋でご講演を聴けるというのは、またとない機会でした。
注意欠陥多動症(ADHD)は、幼少期より特徴的な行動パターンがあります。さまざまな理由により、成人期になるまで問題なく過ごしてきましたが、就職や結婚を機に問題となる行動や困り事が目立つようになることが多いとされます。適応障害と診断される人には発達障害が基礎として存在してが、今までは自分の工夫や周りのサポートで、何とかやってきたけれども、大学生になって1人暮らしをした、知らない人たちの中でつきあっていかないといけない、就職した、会社で業務が変わった、結婚して生活が変わった、子育てでパンクしたなどなどです。環境の変化によって発達障害を表に出てくるとうことも多いのです。
今回の講演会では、成人期ADHDに併存する疾患や二次疾患を踏まえた臨床上の問題について多くのことを学ぶことができました。
成人期ADHDに併存する疾患や二次疾患として以下のものが挙げられます。
今回の講演では、上記の疾患の中でも、自閉スペクトラム症(ASD)との併存例を中心としてお話しがありました。
注意欠陥多動症(ADHD)の併存疾患の中でも、自閉スペクトラム症(ASD)が一番多いそうです。
両疾患は、
- 日常のトラブル(例えば、対人関係が苦手、判断ミスの多さ、不注意など)
- 二次障害(例えば、うつ病など)
の2点で類似した困り事があるというお話もありました。
また、ADHDに加えて、ASDが併存した場合、
- ・困りごとが何に由来するかが異なる
- ・二次障害が重症化しやすい
- ・第三、第四の併存疾患の確率が高くなる
- ・治療上工夫が必要である
といった点が、特徴として挙げられるそうです。
今回の講演会には非常に多くの医療関係者の方々が参加されており、注目度が高いテーマであることを改めて感じました。
また、当院の非常勤医師も症例報告をされており、多くの先生方と実際の臨床現場での経験を踏まえたディスカッションが繰り広げられていました。
講演会全体を通して、先生方のお話しも非常にわかりやすく、とても充実した内容を学ぶことができました。
今回の講演会を踏まえて、さらに成人期ADHDやASDへの理解を深めて行きたいと思います。
関連する情報
監修
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【出身校】名古屋市立大学医学部卒業
【保有資格】精神保健指定医/日本精神神経学会 専門医/日本精神神経学会 指導医/認知症サポート医
【所属】日本精神神経学会/日本うつ病学会/日本嗜癖行動学会理事/瑞穂区東部・西部いきいきセンター
【経歴】厚生労働省認知行動療法研修事業スーパーバイザー(指導者)の経験あり。2015年より瑞穂区東部・西部いきいきセンターに参加し、認知症初期支援集中チームで老人、高齢者のメンタル問題に対し活動を行っている。日本うつ病学会より「うつ病の薬の適正使用」のテーマで2019年度下田光造賞を受賞。
【当院について】名古屋市から、「日本精神神経学会から専門医のための研修施設」などに指定されている。
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