あらたまこころのクリニック「症状別のよくある質問」ページ

公開日: |更新日: 働く人の発達障害

院内研修~(大人のADHD)~

院内研修~(大人のADHD)~

日時:2017年7月13日 12:30~
場所:あらたまこころのクリニック

7月13日の院内研修では、大人のADHDについて、勉強しました。

 

ADHDとは?

ADHDとは、「注意欠如・多動症(Attention-Deficit/Hyperactivity Disorders)」のことです。一般的には、「落ち着きがなく、授業中に動き回る子ども」といった印象が強いかもしれませんが、近年、成人においてもADHDが注目されています。
ある海外の研究報告によれば、成人の約2%(つまり、50人に1人)がADHDであると言われています。

 

どんな症状があるの?

特徴的な症状としては、以下の3つが挙げられます。

① 不注意 (細かいことに注意がいかず、仕事や家事がずさんになる)
② 多動性 (落ち着きが無く、じっとしているのが苦手)
③ 衝動性 (会話の中で、途中で相手の言葉をさえぎって話し始めてしまう)

上記のような症状は、幼少期に、

  • 授業中、席を離れてしまう、注意が続かない
  • ケアレスミスが多い
  • 忘れ物が多い
  • 順番が待てない

などの特徴的な行動で表出することがあります。

 

ADHDと併存する障害

ADHDと併存する障害として、うつ病、不安障害、睡眠障害、依存症、チック障害などが挙げられています。

 

成人ADHDの特徴

大人のADHDは、

a) 子どもの頃から症状が残存するパターン
b) 大人になり、環境の変化に伴って、初めてADHDと気づくパターン

の2つがあります。

また、成人のADHDでは、多動性の症状が薄れ、不注意や衝動性の症状が残ることがあります。
成人のADHDの場合、それぞれの症状が、以下のようなエピソードで出現し、お困りになることがあるかもしれません。

今、注目されているADHDという疾患について、正しい知識をご紹介できるよう、今後も研修などに積極的に参加していきたいと思います。

小さい頃から、上記のようなお困り事がある方、就職や役職に就くなど環境の変化に伴い、上記のようなお困り事を抱くようになった方は、お気軽に医療機関にご相談下さい。

(心理士・本田)

関連する情報

監修

加藤 正
加藤 正医療法人和心会 あらたまこころのクリニック 院長
【出身校】名古屋市立大学医学部卒業
【保有資格】精神保健指定医/日本精神神経学会 専門医/日本精神神経学会 指導医/認知症サポート医
【所属】日本精神神経学会/日本うつ病学会/日本嗜癖行動学会理事/瑞穂区東部・西部いきいきセンター
【経歴】厚生労働省認知行動療法研修事業スーパーバイザー(指導者)の経験あり。2015年より瑞穂区東部・西部いきいきセンターに参加し、認知症初期支援集中チームで老人、高齢者のメンタル問題に対し活動を行っている。日本うつ病学会より「うつ病の薬の適正使用」のテーマで2019年度下田光造賞を受賞。
【当院について】名古屋市から、「日本精神神経学会から専門医のための研修施設」などに指定されている。