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うつ病
うつ病のニュース
最新のうつ病診断のニュースがNHKでやっていました。
国内に70万人を超える患者がいるとされ、自殺の大きな原因ともなっている「うつ病」は、正確な診断が難しく、まちがった治療をしてしまうケースも少なくありません。このうつ病を、最新の画像診断技術を使って正確に診断しようという国内で初めての入院検査プログラムを、東京大学病院がスタートさせました。東大病院が新たに始めたのは、うつ病を診断するための4日間の入院プログラムです。
うつ病は、これまで医師が問診で見分けてきましたが、意欲の低下や気分の落ち込みなどの症状は、うつ病とは別の、そううつ病や統合失調症、それにアルツハイマー病などでも起きることが多く、誤った診断で必要のない薬を長年処方し、症状を悪化させてしまうケースの多いことが問題となっていました。
今回のプログラムでは、まず、光トポグラフィーと呼ばれる最新の機械を使い、脳の前頭葉と呼ばれる部分に流れている血液の量を測定します。うつ病と、そううつ病、それに統合失調症は、患者が感じている症状は似ていても、脳の血液の流れ方が異なるため、区別できる仕組みです。東大病院によりますと、この検査法だけでの診断の正確さは70%から80%ですが、これに複数の心理テストや問診検査を加えることにより、ほぼ確実に診断ができるということです。また、うつの症状は、脳しゅようやアルツハイマー病でも起きるため、CTやMRIなどでの検査も同時に行います。検査費用は7万円前後かかりますが、こうした入院プログラムは全国でも初めての試みで、東大病院では、年間100人程度の患者の受け入れができるとしています。
東大病院精神神経科の笠井清登教授は「問診だけで診断が難しい患者については、これまでいろいろな治療薬を試しながら、どの病気か見分けていくしかなかったが、この入院プログラムでは、日本でも最高水準の精度で診断できるようになっている。ほかの病院にも広まれば、多くの患者に正しい診断を受けてもらえるようになる」と話しています。
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監修
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【出身校】名古屋市立大学医学部卒業
【保有資格】精神保健指定医/日本精神神経学会 専門医/日本精神神経学会 指導医/認知症サポート医
【所属】日本精神神経学会/日本うつ病学会/日本嗜癖行動学会理事/瑞穂区東部・西部いきいきセンター
【経歴】厚生労働省認知行動療法研修事業スーパーバイザー(指導者)の経験あり。2015年より瑞穂区東部・西部いきいきセンターに参加し、認知症初期支援集中チームで老人、高齢者のメンタル問題に対し活動を行っている。日本うつ病学会より「うつ病の薬の適正使用」のテーマで2019年度下田光造賞を受賞。
【当院について】名古屋市から、「日本精神神経学会から専門医のための研修施設」などに指定されている。
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