不安は悪いもの?
「最近疲れがひどいけれど、何か悪い病気ではないかしら」
「プレゼンで上手く話せないかもしれない」
「先輩に嫌われているかもしれない」
こんなふうに、仕事や学校、家庭の中で不安を感じることはありませんか?
不安は、未知のものや何か悪いことが起きそうと予想するときに出てくる感情です。
ある不安の強い方が、「不安がなくなると人生楽になると思います」と話されたことがあります。不安が全くなくなると、確かに心が落ち着いて心地よく感じられるかもしれませんが、果たして本当にそうなのでしょうか?
例えば、テストを受ける状況を想像してみてください。
不安が高いとどうでしょうか?不安が高いと、一生懸命勉強してテストに万全に備えますが、強い不安のため頭が真っ白になり、テストに集中できず、テスト結果は悪いものになってしまうでしょう。
では、不安が低いとどうでしょうか?不安が低いと、安心しきってしまうため勉強しなくなり、やはりテスト結果は悪いものになってしまうでしょう。つまり、不安が高すぎても、低すぎても問題なのです。高すぎる不安も、低すぎる不安も、私たちのパフォーマンス能力を下げてしまうのです。
一方、適度な不安があるとどうでしょうか?
適度な不安があると、テストに備えて勉強もしますし、程よい緊張感の中で試験を受けられるため、テスト結果は良いものになるでしょう。このように、適度な不安はパフォーマンス能力を上げ、集中力を高めると言われています。不安は私たちが生きていく上で、大切な意味や役割を持っているというわけです。
不安が強すぎて振り回されるのは問題ですが、状況に応じて適度に不安を感じるのは人として大切な力です。不安をなくすのではなく、不安とほどほどにつきあっていけるようになれるといいですね。
社交不安障害について
https://www.mentalclinic.com/sad/
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監修
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【出身校】名古屋市立大学医学部卒業
【保有資格】精神保健指定医/日本精神神経学会 専門医/日本精神神経学会 指導医/認知症サポート医
【所属】日本精神神経学会/日本うつ病学会/日本嗜癖行動学会理事/瑞穂区東部・西部いきいきセンター
【経歴】厚生労働省認知行動療法研修事業スーパーバイザー(指導者)の経験あり。2015年より瑞穂区東部・西部いきいきセンターに参加し、認知症初期支援集中チームで老人、高齢者のメンタル問題に対し活動を行っている。日本うつ病学会より「うつ病の薬の適正使用」のテーマで2019年度下田光造賞を受賞。
【当院について】名古屋市から、「日本精神神経学会から専門医のための研修施設」などに指定されている。
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