双極性障害セミナーで院長が座長を務めました
5月17日に行われた、双極性障害のセミナーにおいて、当院の院長が座長を務めました。
総合司会:医療法人和心会あらたまこころのクリニック 院長 加藤正
講演Ⅰ
演者:医療法人静心会 桶狭間病院藤田こころケアセンター理事長
藤田潔先生
『双極性障害におけるラモトリギンの役割』
講演Ⅱ
演者:北海道大学大学院医学研究科精神医学分野 准教授
井上猛先生
『双極性障害の早期診断と経過に影響する因子』
双極性障害は、躁うつ病という名前の方で広く知られていると思います。名前の通り、気分の高揚や活動量の増大が生じる「躁」状態と、気分の落ち込みや活動性の低下が生じる「うつ」状態という2つの間で揺れ動く疾患です。
藤田先生の講演では、薬物療法に関する内容が中心でした。双極性障害の治療は、激しい気分の波を安定させる、薬物療法が中心になります。薬にも、急性期に有効なもの、再発予防に有効なものなど、様々です。具体的な症例を通して処方のポイントをお話しいただきました。
井上先生は、北海道大学を卒業後、病院の勤務医やアメリカ合衆国ウィスコンシン大学マジソン校精神医学教室への留学を経て、現職でご活躍されています。ご専門は、難治性うつ病の臨床・治療、双極性障害の早期鑑別診断。最近では、「JET-LMBP study」という、うつ症状を呈する人における双極性障害の有病率を検討した研究でも中心的や役割を果たしています。
今回の講演でも、早期鑑別診断をするためにはどうしたらいいのか、ということがテーマになりました。双極性障害の方の多くは、「うつ」症状で困って来院されることが多いとされています。しかし、双極性障害の症状の認知度が低いことも知られており(9%程度)、たとえ躁状態にあったとしても診察では「調子がいい」と報告するケースもあります。そのため、うつ病と誤診しやすいという問題があります。少しでも早く正確な診断をするために必要な情報とは何か、幅広い視点でご講演いただきました。
日本うつ病学会では、双極性障害についての情報を提供するために、こちらで一般向けの資料を公開してきます。
少しでも速く、適切な治療を提供するためにどんなことに注意すべきか、改めて考えさせられました。今後の治療に取り入れてきたいと存じます。
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監修
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【出身校】名古屋市立大学医学部卒業
【保有資格】精神保健指定医/日本精神神経学会 専門医/日本精神神経学会 指導医/認知症サポート医
【所属】日本精神神経学会/日本うつ病学会/日本嗜癖行動学会理事/瑞穂区東部・西部いきいきセンター
【経歴】厚生労働省認知行動療法研修事業スーパーバイザー(指導者)の経験あり。2015年より瑞穂区東部・西部いきいきセンターに参加し、認知症初期支援集中チームで老人、高齢者のメンタル問題に対し活動を行っている。日本うつ病学会より「うつ病の薬の適正使用」のテーマで2019年度下田光造賞を受賞。
【当院について】名古屋市から、「日本精神神経学会から専門医のための研修施設」などに指定されている。
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