受験生のストレス…過敏性腸症候群と社会不安障害
夏になると増える受験生の受診
毎年、夏ごろになってくると、「試験のことを考えるとお腹が痛い」とか「試験中に必ずトイレにいきたくなる」などの相談で受診される受験生が増えます。
下痢が続くと思って、消化器内科を受診して検査しても何の異常も見られない。よく考えてみると、試験のことを考えたり、試験前になるとそういった症状がでるというのです。
脳と腸とは深い関係が!
「脳腸相関」という言葉があり、脳と腸には深く相関関係があると言われています。脳が不安などのストレスを受けると、自律神経を介してストレスが胃や腸に伝達され、胃腸に異常を起こし腹痛や下痢がおこります。 また、下痢や便秘などの腸の不調も、逆に脳にストレスを与えます。こうして、ストレスの悪循環が形成されてしまうのです。
受験生の敵!過敏性腸症候群(IBS)と社会不安障害
これらの症状を過敏性腸症候群(IBS) と言います。しかも、この病気は、社会不安障害と大きく関係しています。お腹が痛くて、お腹がなったり、何度もトイレにいきたくなったとき、それを人に見られるのがとても恥ずかしくなり、挙動不審に見えないかと、極度に人の目を気にしたりするようになると、それは、過敏性腸症候群(IBS)だけでなく、社会不安障害の症状が伴っているといえるでしょう。
あまりにひどく、テストに集中することができなくなったりするようであれば、一度、専門機関を受診することをお勧めします。
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監修
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【出身校】名古屋市立大学医学部卒業
【保有資格】精神保健指定医/日本精神神経学会 専門医/日本精神神経学会 指導医/認知症サポート医
【所属】日本精神神経学会/日本うつ病学会/日本嗜癖行動学会理事/瑞穂区東部・西部いきいきセンター
【経歴】厚生労働省認知行動療法研修事業スーパーバイザー(指導者)の経験あり。2015年より瑞穂区東部・西部いきいきセンターに参加し、認知症初期支援集中チームで老人、高齢者のメンタル問題に対し活動を行っている。日本うつ病学会より「うつ病の薬の適正使用」のテーマで2019年度下田光造賞を受賞。
【当院について】名古屋市から、「日本精神神経学会から専門医のための研修施設」などに指定されている。
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