認知症に関する研修会に参加してきました
4月頭に行われた、2回の認知症の研修会に参加してきました。
①4月3日(水) 「認知症患者の治療とケアを考える」
内容
・一般演題
座長:みつばクリニック 院長 野村博彦 先生
演者:藤田保健衛生大学 精神神経科学講座 客員助教
桶狭間病院藤田こころケアセンター 精神科 目片隆弘 先生
『ラメルテオンの使用経験について~高齢者不眠症例から認知症合併例まで~』
・特別講演
座長:国立長寿医療研究センター 在宅連携医療部長 三浦久幸 先生
演者:国立長寿医療研究センター 行動・心理療法部長 服部英幸 先生
『認知症の精神症状と行動異常(BPSD)の対応』
②4月6日(土) 「認知症地域連携懇話会」
内容
・特別講演
座長:名古屋掖済会病院 神経内科部長 落合淳 先生
演者:国立長寿医療研究センター 脳機能診療部長 鷲見幸彦 先生
『認知症の人を外来で診る―認知症地域連携の理想と問題点―』
認知症にかかる方の数は年々増加しており、3年後には4.5世帯に1人認知症の方がいると言われています。
認知症の症状には、記憶障害などの良く知られている症状の他に、気分の落ち込みや興奮しやすさといった心理・行動面での症状があります。認知症にかかってから5年以内にはほとんどの人が何らかの症状を示すとされており、誰もが可能性があります。
こういった症状が出始めた時の、初期対応をまとめたガイドラインの本も出版されています。
著者:服部英幸 出版社:ライフサイエンス社
『BPSD 初期対応ガイドライン―介護施設、一般病院での認知症対応に明日から役立つ』
患者様の状態に合わせた対応を考えることができるようになっています。その対応の結果が良ければそれを続け、場合によっては専門機関との連携を取ることで、患者様に適切な対応していきます。
認知症の患者様の治療の基本は、①症状を抑える薬を飲むこと、②環境調整、の2つです。お薬については、つい飲み忘れてしまうということが無いよう、ご家族と協力しながら続けていただくのが良いでしょう。また、症状が周囲の音などの環境が原因で生じている場合もありますので、ご本人やご家族、ケア施設の職員などから話を聞き、必要に応じて環境調整をしていきます。
また、できていない部分ばかりに目を向けるのではなく、できている部分、支障なくこなせている部分を共有していくことも大事なポイントです。自分でもできる部分があるんだ、体験を積んでいただくことで、毎日の活力にもつながっていきます。
認知症の行動・心理面の症状は誰もが直面する可能性があること、適切な初期対応が重要であることなど、非常に勉強になりました。
関連する情報
監修
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【出身校】名古屋市立大学医学部卒業
【保有資格】精神保健指定医/日本精神神経学会 専門医/日本精神神経学会 指導医/認知症サポート医
【所属】日本精神神経学会/日本うつ病学会/日本嗜癖行動学会理事/瑞穂区東部・西部いきいきセンター
【経歴】厚生労働省認知行動療法研修事業スーパーバイザー(指導者)の経験あり。2015年より瑞穂区東部・西部いきいきセンターに参加し、認知症初期支援集中チームで老人、高齢者のメンタル問題に対し活動を行っている。日本うつ病学会より「うつ病の薬の適正使用」のテーマで2019年度下田光造賞を受賞。
【当院について】名古屋市から、「日本精神神経学会から専門医のための研修施設」などに指定されている。
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