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スマホの依存による私生活への影響とは?スマホ依存症になってしまった場合の対処法についても解説!

スマホの依存による私生活への影響とは?スマホ依存症になってしまった場合の対処法についても解説!

近年、スマホ(スマートフォン)は私たちの生活になくてはならないものになりました。スマホひとつで読書や音楽、動画視聴やさまざまな暮らしに役立つツールなど、大変便利になる一方で、「スマホ依存症」といわれるスマホの依存による影響についても問題視されています。今回の記事では、スマホの依存による影響について注目し、スマホによる影響やスマホ依存症になってしまった場合の対処法について解説します。

スマホ依存症とは?

スマホ依存症とは、常に画面を確認したり操作していないと落ち着かないなど日常生活よりスマホを優先していまい、実生活にさまざまな問題が起きているにも関わらずスマホの使用がやめられなくなる状態をいいます。現在のところ「アルコール依存症」のように医学的な病名として認められていませんが、厚生労働省の2013年の調査ではスマートフォンやパソコンに没頭する「ネット依存」の傾向が成人のおよそ421万人にあるとしており、スマホの普及の拡充によってますますスマホ依存の問題が身近になってくると考えられます。

  • 常に手に届くところにスマホがないと不安に感じてしまう
  • スマホに没頭してしまいやるべきことができない
  • スマホをたえずチェックしてしまい仕事や勉強に集中できない
  • スマホの使用により寝不足が続いている
  • スマホを見ていたら一日が過ぎていた

上記のような行動に当てはまり、スマホをやめたくてもやめられない場合はスマホ依存に陥っている可能性があります。依存状態が長く続くと、日常生活だけでなく心の健康にも影響があるためスマホの使い方について一度見直してみることをおすすめします。

デジタル健忘症

スマホは持ち歩きに便利なため、スケジュールやメモなどスマホのアプリを利用して情報を記録している人も多いのではないでしょうか。デジタル化が社会に与える影響についてさまざまな調査を行っているKaspersky Labは、こうしたスマホなどのデジタルデバイスに情報を保存したことで安心してしまい、その情報を忘れてしまう現象のことを「デジタル健忘症」と名付けています。また、調査によってスマホが目の前にある状態よりも手が届かない状態だと生産性が26%向上することが分かりました。スマホの依存によって、記憶力の低下だけでなく集中力や注意力にも影響があらわれることが分かります。

スマホが精神に与える影響とは

スマホは便利な反面、スマホに依存した日常生活を送っていると精神面で以下の影響があらわれることがあるため注意が必要です。

  • SNSによって他人と比較してしまう
  • 友達を会ってコミュニケーションを取ることが減る
  • ネット上で嫉妬してしまう
  • 自信を失う

SNSによって他人と比較してしまう

TwitterやFacebook、Instagramなど、さまざまなSNSの登場によって他人のプライベートを知ることができてしまいます。隙間時間に投稿された内容ばかり見ていると、他人と自分と比較することが癖になってしまい「自分は劣っている」と劣等感を感じて自分を見失ってしまうことがあります。投稿の内容が全て真実だと考えてしまう人が他人と比較してしまいがちなため、投稿内容は真に受けず適度に受け流すことが大切です。

友達を会ってコミュニケーションを取ることが減る

オンライン上で気軽につながることができるため、直接友達と会ってコミュニケーションを取る機会が減ったと感じる人も少なくないのではないでしょうか。しかし、いつでもどこでも誰とでもネット上で繋がれる便利さの反面、SNSなどオンライン上だけでのコニュニケーションを続けていると、友達とつながっているはずなのに孤独や不安を感じるという人が増えています。

ネット上で嫉妬してしまう

SNSで見る他者の幸せそうな生活や体験の投稿に嫉妬を感じてしまうことがあります。特に他人と比較するくせがある人は、他人と自分を比べて嫉妬を感じたり、さらに嫉妬を感じる自分に嫌気がさすなど他人の投稿に一喜一憂してしまいがちです。他人の切り取られた一部の情報から想像で情報を補い美化するのはやめましょう。嫉妬をするよりも参考にして、自分の人生に活かすよう考えると感情がネガティブな方向に向かなくなります。

自信を失う

SNSの自分の投稿に対して「いいね」やコメントがつかなかいと「自分を見てもらえていない」と感じて自信を失ってしまうことがあります。

”10代を含む若者1,500人を対象にした調査では、7割当がInstagramのせいで自分の容姿に対するイメージが悪くなった」と感じ、20代を対象にした別の調査では、半数近くが「SNSをせいで自分は魅力的ではないと感じるようになった」と答えている。”

引用著書:「スマホ脳 – アディッシュ・ハウゼン」

他人の評価や「こうあるべき」という固定概念があることによって、自分の評価が極端に下がってしまい「何をやってもダメだ」という根幹なる自信すらも失ってしまうのです。

スマホが私生活へ与える影響は?

スマホや携帯電話の利用時間の平均は、1日あたり1時間18分という調査結果があります。人によってさらに長い時間スマホに触れている人もいるかもしれませんが、スマホの使用状況によって私生活に大きく影響することがあります。スマホが私生活に与える主な影響について、以下の3つをご紹介します。

  • 記憶力や集中力の低下
  • 睡眠の質の低下
  • イライラして人間関係が悪化する可能性もある

記憶力や集中力の低下

スマホが近くにあるとつい触ってしまいマルチタスクになってしまうことで集中力を低下させますが、情報過多による脳疲労も記憶力や集中力の低下につながる原因となります。

スタンフォード大学の研究で、マルチタスクが得意な人とそうでない人を集めて集中力を測定する実験をしたところ「マルチタスクが得意な人は集中がかなり苦手」という結果になりました。(参考;「スマホ脳 – 集中力こそ現代社会の貴重品」著者:アディッシュ・ハウゼン)携帯やデジタツールを眺めながら別の作業をすると脳の処理が追いつかず、集中が分散したままになります。

スマホを使いすぎると、脳内の情報処理の許容を超えてしまうため、記憶力や集中力に影響してしまうことがわかって分かっています。「なぜかスマホを手放せない」という人は特に注意が必要です。スマホを使わない時間を作り頭を休めることが大切です。

睡眠の質の低下

ブルーライトは睡眠の質を低下させることがよく知られていますが、寝る前のスマホも同様のことがいえます。寝る前にスマホの画面からブルーライトを浴びることで、脳が昼間だと勘違いし睡眠リズムが崩れてしまいます。SNSやゲームなどの刺激によっても、脳が興奮状態になり寝つきにくくしたり夜中に目が覚めるなどの悪影響を及ぼすため、寝る2時間前にはスマホをやめることが推奨されています。

イライラして人間関係が悪化する可能性もある

スマホに依存した状態になると、見たい時にスマホが見れないだけでイライラしたり怒りっぽくなることがあります。ちょっとしたことでもイライラするようになると、強く人にあたってしまうなど人間関係にも悪影響を及ぼしかねません。ストレスが溜まっていると感じたら、スマホに依存しすぎていないか一度見直してみましょう。

スマホ依存症になってしまった場合の対処法とは?

スマホ疲れを感じたら、スマホ依存症になっている可能性があります。スマホ依存症になってしまったら以下の対処法を試してみることをおすすめします。

  • マルチタスクをヤメてみる
  • SNSから離れる
  • マインドフルネスで脳を休める

マルチタスクをやめてみる

「テレビをつけながらスマホで調べ物をする」「家事をしながらスマホで動画を観る」など、忙しい人ほど日常がマルチタスクになりがちです。複数のことを同時にこなすと、脳は同時に複数のことを扱えないため高速で情報を切り替えながら処理します。これは脳に大きな負担となります。「集中力が落ちたな」と感じたら、脳疲労をおこさないためにもマルチタスクをやめてみましょう。シングルタスクにすることで、結果的にマルチタスクよりも効率良く作業を終えることができるとも言われています。

SNSから離れる

SNSに疲れを感じたりストレスを感じたら、一度SNSから離れることも大切です。無用なストレスを溜め込まないだけでなく、自分の時間が増えるため今までできなかったことに挑戦したり、SNS以外の楽しみを見つけることができます。SNSを使用しないことで、本当に自分にとって必要な人間関係も見つめ直すことができます。まずは「寝る2時間前はSNSは見ない」と、決めた時間にSNSから離れることから始めてみましょう。

マインドフルネスで脳を休める

スマホによって起こった脳疲労を和らげるためには、マインドフルネスが効果的です。マインドフルネスとは、現在起きている体験に評価を加えず、ただ意識を向けて目の前のことに集中することです。脳内に湧き上がる雑多な思考を整理することで脳のリラックス効果があるため、集中力が高まるだけでなく緊張の緩和や不安の減少にもつながります。マインドフルネスにはさまざまな方法が存在しますが、瞑想によるマインドフルネスがよく知られています。

まとめ

スマホ依存症とは、常に画面を確認したり操作していないと落ち着かないなど日常生活よりスマホを優先していまい、実生活にさまざまな問題が起きているにも関わらずスマホの使用がやめられなくなる状態をいいます。依存状態が長く続くと、以下のような心の健康や私生活への影響があるため、スマホが手放せない人は注意が必要です。

マインドフルネスはひとりで行うには難しいと感じる人もいるかと思います。あらたまこころのクリニックではマインドフルネスグループを定期的に行なっているため、気になった方は一度ぜひ、お気軽にお問い合わせください。

関連:マインドフルネスグループのご案内

参考著書;「スマホ脳 |アディッシュ・ハウゼン」

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監修

加藤 正
加藤 正医療法人和心会 あらたまこころのクリニック 院長
【出身校】名古屋市立大学医学部卒業
【保有資格】精神保健指定医/日本精神神経学会 専門医/日本精神神経学会 指導医/認知症サポート医
【所属】日本精神神経学会/日本うつ病学会/日本嗜癖行動学会理事/瑞穂区東部・西部いきいきセンター
【経歴】厚生労働省認知行動療法研修事業スーパーバイザー(指導者)の経験あり。2015年より瑞穂区東部・西部いきいきセンターに参加し、認知症初期支援集中チームで老人、高齢者のメンタル問題に対し活動を行っている。日本うつ病学会より「うつ病の薬の適正使用」のテーマで2019年度下田光造賞を受賞。
【当院について】名古屋市から、「日本精神神経学会から専門医のための研修施設」などに指定されている。